長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

こだわりとは想いやり

 『佃さん、確率60%をあなたはどう思う?』下町ロケットの一場面だ。
 下町ロケットのロケット編が完結し、ガウディ計画ががスタートした。これは人工心臓の人工弁の開発を描くドラマだが、実はこれにはモデルになった企業が実在する。
 長野県諏訪市にあるサンメディカル技術研究所がそれだ。さらに、体内埋め込み型の人工心臓は国産初であり、それは『エバハート』と呼ばれた。
 エバハートは東京女医科大学山崎健二教授が考案した。彼のアイディアは、人工心臓を現在の拍動型からスクリューによる連続流型にすることで小型化を図るというものだった。
 しかし、考え方があまりにも先進的すぎた。どの医療機器メーカーも開発に首を縦に振らなかった。
 何とか試作品を完成させたのは父親の経営する会社だった。しかし、これを実用化してくれる企業は皆無だった。山崎教授はそれでも夢を諦められなかった。
 なぜなら『人工心臓を小型化できれば、これまで救えなかった沢山の命が救える』ただその一点だった。そして、父親は自からの資産をつぎ込みサンメディカル技術研究所を設立。
 エバハートの独自開発に取り組んだのである。その道のりはさらに厳しかった。
 治験が始まったのは、開発から15年の歳月が過ぎていた。完成したエバハートは患者の胸に納められた。術後の患者は非常に良好な経過をたどり、寝たきりだった患者は術後一年で社会復帰を遂げたのである。
 不可能と言われたことを可能にしたのは『より多くの患者の命を救いたい』という山崎教授の想いと、その夢を共有した父親の情熱と愛情だったに違いない。
 こだわりとは想いやりと同義語だと私たちは理解している。人の役に立ちたい、それが自らの仕事のベクトルと合致していれば妥協などという言葉は決して生まれないと私たちは固く信じている。
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