長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

日本人の心

 ロサンゼルスの郊外に『モハベ空港』がある。この空港は一般の空港としての機能の他に飛行機の墓場としての顔を持っている。
 ここに着陸する飛行機は二度と空に飛び立つことは出来ない。現役を退いた飛行機が、ここで解体されるのを待っている。
 その多くの飛行機の中にANAのボーイング747が現役を退き静かに横たわっていた。そして、その飛行機にはその他には見られない感謝が記されている。
 それは、乗員、整備員が記したもので『ありがとう』『お疲れ様』『よし!良い飛行機だった』などとマジックで書かれている。
 退役する時に皆でお別れの会も開かれたそうである。日本人は本来、道具を大切にする国民である。料理人は包丁やまな板を、職人は金槌や鉋を、スポーツ選手はバットやミット等を自分の命のように大切にした。
 私も就職したばかりの頃、配属された現場の職人さんに、先ず教え込まれたことは道具を大切に扱う事だった。使った後の機械は次の人が直ぐに使えるように、清掃することは当たり前だった。
 また、工具類を直接地面に置くと烈火のごとく叱られた。道具を大切できない人間は良い仕事ができないと教わった。
 この飛行機もきっと乗員、整備士の皆さんがお客様や自分たちの命を乗せてがんばってくれたという感謝の気持ちがそうさせたのだろう。
 欧米諸国では道具はあくまでも道具だ。欧米には当然すばらしいものもあるが生み出される工業製品の品質、つくり込みの想いは日本のそれを越えることは出来ない。
 そこには日本人にしか分からない心がある。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ 人気ブログランキングへ