長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

2019-01-01から1年間の記事一覧

平成最後の教訓

平成最後の登山は、太郎平小屋を基地として、薬師岳、黒部五郎岳を登るルートだ。 連休初日の27日は高層天気図によれば冬型となり、風も15mを超える強い風が吹く予報が出ていた。 問題はその予報と現場での実際がリンクしていないことにある。かなり厳し…

イタリアンに舌鼓

Baggio社での打ち合わせを終え、ミラノの北に位置するオリッジョへ。ミラノではミラノサローネが開催されており、渋滞で近ずく事が出来ない。 常務とお供の社員一名をミラノ空港で降ろし、私たちはSPACIANI社へ向かう。会社ではアンドレアが待っていてくれた…

ドイツへ2日目

3時半に目が覚めるのはドイツに来ると何時もの事である。jet lagは歳をとるごとに酷くなるのがキツイ。まあ、仕方ない事だが。。。 技術研修のメンバーはいたって元気だ。彼らが工場見学をしている間、Ziegler社と共同開発を行なっているプロダクツの進行状…

ドイツへ

羽田発、12時のフライトでドイツミュンヘンに向かう。毎年行なっている技術研修を計画し、参加する社員と共にZiegler社を訪問した。 毎年の研修には大きく二つの目的がある。ひとつは、今年で6年目になるALPASスーパーストラクチャーに関わる製造技術の向上…

変わるもの、そして変わらないもの

日本の元号の最初は645年に制定された大化だと言われている。それから1400年の間に247の元号が定められた。 過去には、天皇が変わる時に元号が変わっていたのではなく、世の中に大きな災いがあった時など、それをリセットし世の中が良くなるようにと…

AIは労働人口の減少の解決の糸口になるか

2060年日本の労働人口は4000万人になると言われている。これは、中小企業には人がいなくなる事を示している。 労働人口の減少の解決の糸口になるのはAIの技術なのだろうか。昨今、AIの発達によりなくなってしまう可能性のある仕事が予測されている。…

シンクロニシティ

何かを覚悟するとその覚悟にふさわしいことが起きる。 神がかっていると言えばそうなのかも知れない。しかし、これまでもこんな事を多く経験してきた。 日本にアルミで消防車のストラクチャーを製造する技術を何としても導入したいと思った。社内にそれをや…

タイのエネルギー

これでタイ国へは何度めになるだろう。初めて訪れたのは2013年だったろうか。 最初の印象から比べれば本当に大きく変わった。タイには変化していくエネルギーを感じる。人口は6800万人、平均年齢は38歳、日本の46.5歳と比べると12歳も若い。 子供…

あれから8年

その時の事を思い出す。名古屋高速道路を降りたところで車載テレビから緊急地震速報が流れた。ビルの中から多くの人が飛び出してきたのを今でも鮮明に覚えている。 会議会場のロビーのテレビで津波が仙台空港をを襲う場面を食い入るようにみた。これはただ事…

私たちの目に映るものは

マクドナルドの食品偽装、異物混入問題は未だ記憶に新しい。一時は大きく信用を失墜し大きく欠損を出す事となった。 しかし、マクドナルド業績はV字回復を見せたのである。その原動力となったことは原点に立ち返る行動だった。サラ・カサノバ社長は47都道…

感性と数値

杜氏、農口尚彦氏は『自分を菌に近づける。菌と対話できるまで、菌に愛情をかける。』と言う。 また彼の酒蔵の壁には、彼の信念が刻まれている。 『麹菌に合わすんだ、酵母菌に合わすんだ、自分を。自分の都合を押し付けとるようじゃ 絶対酒はこっちを向いて…

プロとの差

アルパインクライミングの技術のひとつとして学び始めたアイスクライミングだが昨今、事故が多発している。 当日の気温、氷の状態、それによって使用する道具の選択も経験を要する。プロと呼ばれている人たちと、そうで無い人たちの違いは安全基準の差がその…

働きやすい会社を選ぶ

テレビのニュースから流れてきた言葉に少々違和感を感じた。 来年度の就職の企業合同説明会が開催されたというニュースだ。どの様な企業を来年卒業する若者が選ぶのだろう。 耳を傾けた。『有給休暇が取りやすく、残業が少なく、給与が高い・・・』働きやす…

少々おせっかいなくらいがいい

私たちは会社の目的達成の為に集っている。確かに会社の門を叩いたほとんどの人たちが最初から会社の目的達成のために集ったのではないだろう。 消防車をつくってみたい、設計に携わってみたい、たまたま人を募集してたから、など入口の理由は様々だろう。し…

それってつくれるの?

『それってどうやってつくるんだ!』 何時になく、強い口調で話しているのは現場で叩きあがりの古参の社員だ。彼は高校を卒業し直ぐに弊社の門を叩いた。 現場で消防車両の製造の一から十までを学んだ。当時はポンプユニットそのものを弊社の鋳物工場で鋳造…

予知能力

仕事が計画通りに進まなくなると、隠れたハザードが顔を出し始める。マネージャーに求められるのはそれを察知する能力だ。 それは感や予知能力の様なもので、先を読む力とは別の力だ。インスピレーションとでも言えばよいだろうか。『おかしいな・・・と感じ…

命を懸ける人たちのために

私たちは誰のために消防車両をつくるのか。 最終的には市民の安心安全の為に、消防車づくりの角度から消防職員、分団員をサポートするのが私たちの使命だ。 私たちのものづくりに『まあ、これでいいか』という言葉があってはならない。ひとつの妥協は全ての…

単純であることは究極の洗練

レオナルド・ダ・ヴィンチは『単純であることは究極の洗練だ』と言い、『何も取り去るものが無くなった時が最高のデザインだ』と言ったのはパタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードだ。 そしてアントワーヌ・ド・サン・テグジュペリは『完璧とは、付け加え…

登り手と支え手

過去にも書いたことがあるが、加賀鳶の代名詞とも言われる梯子登りは、明治二年、江戸から三十八名の加賀鳶が金沢に召し寄せられ、その間金沢の町火消しに梯子登りの技が伝承された。 登り手ばかりに目が行くが、実は梯子を鳶口で支える、支え手が微妙に梯子…

山を見るのではなく、自分を見て登れ

昨年の5月21日、一人の日本人登山家が8度目のエベレスト登山に挑戦しこの世から去った。 彼の行動については様々な意見があるが、一部しか知らない自分が論じることは出来ないと考えているし、論じるべきではないことは明らかだ。 彼が7回目のエベレス…

消防人生42年

金沢市内には1ミリも雪がないが奥能登は雪の世界だ。今日は新年のご挨拶に能登半島を一巡してきた。この時期になると退任の話もちらほらと聞こえてくる。 消防人生42年といえば、高校を卒業してから一生を通じて消防を勤め上げると言う事だ。昨今、キャリ…

金沢市消防出初式

明治二年、三十八人の加賀鳶が金沢に召し寄せられた。加賀鳶は江戸の加賀藩邸を守る大名火消しだ。 「加賀鳶」が江戸火消しの代名詞になったのは、命懸けで火を消す行動だけではなく、大きな雲と稲妻を染め抜いた長半纏、その上に着た革羽織等の華麗な火事装…

次工程はお客様

今日から工場は本格的に年内の消防車両の製造を開始した。 ALPASスーパーストラクチャーパネルを加工していた技術者に『この部分は中に隠蔽されるからバリ取りはしなくてもいいんでは?』と尋ねると『確かに言う通りだが、バリで作業者が怪我をしてはいけな…

新年に信念を考える

新年おめでとうございます。 健やかに新年をお迎えになられたことと存じます。昨年は、本当の意味で変化が確実なものになるよう努力をした年だったと思います。 2014年から本格的に生産を始めたALPASスーパーストラクチャーも社員の皆さんのお陰をもって…