長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

ひとりごと

あれから8年

その時の事を思い出す。名古屋高速道路を降りたところで車載テレビから緊急地震速報が流れた。ビルの中から多くの人が飛び出してきたのを今でも鮮明に覚えている。 会議会場のロビーのテレビで津波が仙台空港をを襲う場面を食い入るようにみた。これはただ事…

それってつくれるの?

『それってどうやってつくるんだ!』 何時になく、強い口調で話しているのは現場で叩きあがりの古参の社員だ。彼は高校を卒業し直ぐに弊社の門を叩いた。 現場で消防車両の製造の一から十までを学んだ。当時はポンプユニットそのものを弊社の鋳物工場で鋳造…

予知能力

仕事が計画通りに進まなくなると、隠れたハザードが顔を出し始める。マネージャーに求められるのはそれを察知する能力だ。 それは感や予知能力の様なもので、先を読む力とは別の力だ。インスピレーションとでも言えばよいだろうか。『おかしいな・・・と感じ…

命を懸ける人たちのために

私たちは誰のために消防車両をつくるのか。 最終的には市民の安心安全の為に、消防車づくりの角度から消防職員、分団員をサポートするのが私たちの使命だ。 私たちのものづくりに『まあ、これでいいか』という言葉があってはならない。ひとつの妥協は全ての…

単純であることは究極の洗練

レオナルド・ダ・ヴィンチは『単純であることは究極の洗練だ』と言い、『何も取り去るものが無くなった時が最高のデザインだ』と言ったのはパタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードだ。 そしてアントワーヌ・ド・サン・テグジュペリは『完璧とは、付け加え…

登り手と支え手

過去にも書いたことがあるが、加賀鳶の代名詞とも言われる梯子登りは、明治二年、江戸から三十八名の加賀鳶が金沢に召し寄せられ、その間金沢の町火消しに梯子登りの技が伝承された。 登り手ばかりに目が行くが、実は梯子を鳶口で支える、支え手が微妙に梯子…

山を見るのではなく、自分を見て登れ

昨年の5月21日、一人の日本人登山家が8度目のエベレスト登山に挑戦しこの世から去った。 彼の行動については様々な意見があるが、一部しか知らない自分が論じることは出来ないと考えているし、論じるべきではないことは明らかだ。 彼が7回目のエベレス…

消防人生42年

金沢市内には1ミリも雪がないが奥能登は雪の世界だ。今日は新年のご挨拶に能登半島を一巡してきた。この時期になると退任の話もちらほらと聞こえてくる。 消防人生42年といえば、高校を卒業してから一生を通じて消防を勤め上げると言う事だ。昨今、キャリ…

金沢市消防出初式

明治二年、三十八人の加賀鳶が金沢に召し寄せられた。加賀鳶は江戸の加賀藩邸を守る大名火消しだ。 「加賀鳶」が江戸火消しの代名詞になったのは、命懸けで火を消す行動だけではなく、大きな雲と稲妻を染め抜いた長半纏、その上に着た革羽織等の華麗な火事装…

次工程はお客様

今日から工場は本格的に年内の消防車両の製造を開始した。 ALPASスーパーストラクチャーパネルを加工していた技術者に『この部分は中に隠蔽されるからバリ取りはしなくてもいいんでは?』と尋ねると『確かに言う通りだが、バリで作業者が怪我をしてはいけな…

新年に信念を考える

新年おめでとうございます。 健やかに新年をお迎えになられたことと存じます。昨年は、本当の意味で変化が確実なものになるよう努力をした年だったと思います。 2014年から本格的に生産を始めたALPASスーパーストラクチャーも社員の皆さんのお陰をもって…

モルゲンロートに染まる甲斐駒ヶ岳

年末になりようやくやってきた寒波は山々に雪をもたらしてくれたようだ。大陸からの寒波は北アルプスにぶつかり大量の雪をもたらす。 そして、水分をふるい落とした寒波は次に中央アルプス、そして南アルプスに雪を降らせ乾燥した寒気となる。 中央アルプス…

足先だけの問題ではなく。。。

アルパインクライミングのひとつの技術として学び始めたクライミングだが様々な気づきを与えてくれる。 突然身体が変わったわけではなく、体重が減ったわけでもない。体幹の使い方、指の使い方、足の使い方のコツを理解しただけだ。 岩に足を乗せるのではな…

気のおけない仲間たちと

金沢政策フォーラムは岡田直樹参議院議員を様々な側面からサポートする経営者の集団だ。岡田議員は、金沢青年会議所時代の卒業同期というご縁から、もう20年の付き合いになる。 彼が新聞記者をやめ県会議員となり、その後2年もしないうちに参議院議員の補…

仕事が面白い、仕事が面白くない

仕事が面白いって何だろう。面白い、面白くないには様々な理由があるだろうと思う。面白い、やりがいを感じる、楽しい、モチベーションが上がるとはどの様な時なのだろう。 自分自身を翻って見ると、お客様からお褒めの言葉を頂いたとき、期待されたとき、出…

変化・持続・習慣化

決めた事が変わらないのは、これまでやっていたことが習慣化してしまっているからに他ならない。 しかし、一方では習慣化するまで意識に繰り込めば、これは強力な力になる。 先ずは、変化する事に対する第一歩を踏み出す覚悟と意識が必要なのだ。大きなスト…

理屈を理解する

ホンダがつくる、レーサーレプリカ『RC213V-S』の生産に携わる事ができる作業者の条件は、部品の一点一点の存在理由(何故それを使うのか、その理由)を理解し、且つ、組みつけの条件の意味(何故その組み付け条件なのか)まで熟知している事が求められる。 …

自然水利を取る

消防団はできる限り自然水利から水利を取る様に指導している、というのは金沢市中心市街地の消防団分団長である。 何故か、と尋ねると以前工場用地だった場所が住宅地に造成された場合や、新たに開発されたそれは、消火栓に問題があることが多いという。 し…

人からヒントを得ても真似はできない

わずか数センチの角度の違いでそれは全く違う結果を生む。その角度は、身長、手足の長さ、その可動域よって大きく左右される。 それぞれ顔が違うように人によって全く異なるのである。フェイスに一人で向かっていると、課題をクリアー出来ずに煮詰まってしま…

開戦の日

忠臣蔵を討ち入りの場面から見ると、弱い老人を切り捨てる残酷な物語になる。 第二次世界大戦を真珠湾攻撃の場面から見ると、日本人として釈然としない歴史認識になる。 しかし、その背景を見れば、忠臣蔵は江戸城内の松の廊下で赤穂藩藩主 浅野長矩が高家肝…

こだわりとは想いやり

『佃さん、確率60%をあなたはどう思う?』下町ロケットの一場面だ。 下町ロケットのロケット編が完結し、ガウディ計画ががスタートした。これは人工心臓の人工弁の開発を描くドラマだが、実はこれにはモデルになった企業が実在する。 長野県諏訪市にある…

友遠方より来る

もう20年が経つ。1998年の夏、横浜の地で日本青年会議所主催のサマーカンファレンスが開催された。 入会したての自分は、故谷本大幸先輩のセクレタリーとして日本青年会議所に出向した。月に一度横浜で開催された運営委員会に出席していた。 その時、…

本当に難しい時期だ

12月にもなったのに恐ろしく暖かい日が続いている。明日は金沢でも20℃まで気温が上がるそうだ。 下界が暖かくても標高2000mを越えれば冬山だ。特に新潟県の日本海側の山では一晩で所によっては80cm近く積雪した。 この時期は、雪が安定していな…

振り返ると・・・

FB(フェイスブック)に、5年前の今日は何をしていたのか、過去の投稿を振り返る機能があるようだ。 5年前といえば、2013年の年だ。2013年は東京国際防災展に出展する為に、ALPASスーパーストラクチャー製の消防車両のプロトタイプの開発に全力を…

隣りにある危機に気づかず

『会社の業績悪化は市場環境のせいだ。市場が戻れば再び黒字化できると信じている』としたら相当重症だ。 今まで同じことを繰り返してきた。何も問題はなかった。そして、その結果それなりの実績を上げてきた。従って、徐々に悪化する業績は市場環境が悪化し…

謙信の物見の岩、信玄の茶臼山

戦国時代の川中島の戦いの時、上杉謙信が武田軍の動きを見たと言われているのが物見の岩だ。それは、善光寺の裏手にある。 一方で武田信玄はその対面にある茶臼山で陣を構え上杉軍を迎え撃った。物見の岩が花崗岩である反面、茶臼山は海底が隆起してできた山…

大きく期待し、小さく叱る

『人間の究極の幸せは、人に愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、人から必要とされること』の四つである。これは日本でいちばん大切にしたい会社に紹介された、日本理化学工業(株)の石碑に刻まれている言葉だ。 人の役に立ち、必要とされ…

合理性と美学

クライマーの世界には『合理性と美学』がある様だ。 アルパインクライミングは様々な技術から成り立っており、それらを一つひとつ身に着けることで登山の世界は大きく広がる。 その技術のひとつがクライミングだと理解している。そのクライミング技術に特化…

現象だけ見ても理解できない

問題そのものは目に見える結果でしかない。 すなわち現象であるということだ。様々な事象が積み重なり結果として問題となり浮かび上がっているのだ。 問題自体が本質ではない。問題の本質を理解し、それを解決に導かなければ形を変えて同じ様な問題が浮かび…

魅力ある業界に

働き方改革法案は実質青天井だった36協定の特別条項に720時間の上限を設けた。 これは私たちの業界にとって大きな壁となって立ちふさがる事になる。消防車両は単年度予算が原則であり、4月から翌年の3月末までに全てを納車しなくてはならない。 実際…