長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

現実と期待値

エンジニアリングの世界では自らが仮定した論理がそうあって欲しいと思う意識が強すぎると、自分の期待する結果を誘導してしまう事がある。 『こうあって欲しい』という期待が、そのプロセスや現象を自分の考える結果になるように都合よく解釈し、導いてしま…

東京は春真っ盛り

金沢では堅い桜のつぼみも、東京では満開を迎えている。雪が多かった年は、桜の開花が早いのだそうだ。 寒い冬を乗り越えるため葉を落とし、桜はエネルギーを蓄えそして、春が来ると、蓄えた全エネルギーを使って、花を咲かせるのだ。 桜には多くの種類があ…

働き方改革特別委員会

人口問題研究所がまとめた2045年の日本の総人口は、1億642万人と2015年に比べると2千万人以上減少すると見込まれている。 特に人口の減少が著しいのが秋田県で4割以上減少する。また、65歳以上の人口の割合は秋田県が50.1歳と人口の半分…

消防人生40年

世間でいう本年度も後残すところ三日だ。この時期は出会いと別れの季節だ。 お世話になったお客様にも、退官される方が大勢いらっしゃる。お話を伺うと、消防人生38年、40年、42年と、任用になってから消防というひとつの職業を全うされたことに驚く。…

コップ一杯の水

蛇口をひねれば水もお湯も何も不自由なく出てくる。 私たちの生活はある意味で当たり前が前提で成り立っている。そしてそれが現実で無くなった時、初めて当たり前ではなかったことに気づく。 雪山に出かけると、雪山の当たり前がある。水として存在するもの…

[ひとりごと]良くやってくれた

今期最後の消防車両が出荷された。昨年は本格的にALPASスーパーストラクチャー製の消防車両に切り換えた元年といっても良い年だった。 様々な理由から、現場は混乱したが、今年度は昨年の反省を踏まえ、計画的に消防車両の製造に挑戦した。 当然、百点ではな…

滝壺を覗く

百四丈の滝は白山山系の奥深くに位置し、冬の間はそのしぶきが凍り、氷の滝つぼが現れる。 その高さは最大10m以上にもなり、それこそ巨大な氷の壺だ。自然は偉大だ。以前にも記したがその造形は正しく神の技といっても過言ではないだろう。 滝には美女坂の…

軽量化

ALPASスーパーストラクチャーは、消防車両の構造体を圧倒的に軽くする事に寄与してくれた。しかし、軽くする事が目的ではなく、軽くして何をするかが大切である。 軽量化した部分を搭載する水に振り向ければCD-1に最大1500リットルもの水を搭載すること…

プロフェッショナル

私たちの消防車づくりの理念は普遍であり、不変だ。 『人の命を救うために自分の命をかける人達のために』消防車両をつくり込む事にある。 しかし、時として仕事に追われ、『使命』を全うするのではなく、消防車をつくり、約束の納期までに納めることが『義…

これからの日本が心配だ

『あなたはどの様な会社を選ぶか?』と問われ『休みが多く、給料の高い会社』と答えている学生を見て絶句してしまった。 部分を摘めばある意味でそうなのかも知れない。 以前にも記したが、自分がやりたい仕事に就くことができる人は少ない。しかし、仕事は…

敬意を持って

正しい事でも伝え方が良くなければ、結果も思わしくないものとなる。コミュニケーションの基本は、自分がどうかではなく相手がどう感じるかだ。 正しい事でも『失礼』な伝え方をすればそれは正確に機能しない。論語によれば『失礼』とは慎みと敬意がないこと…

ピンチはチャンス

窮地に立たされた時に限って、難しい判断を強いられることが少なくない。この状況でこれは実行すべきか・・・実行すれば可能性があるが、実行しなければその先はない。 しかし、それにはそれなりのリスクを負わなくてはならない。 様々な状況が判断を迷わせ…

百四丈の滝その2

自然の造形は、人間の想像を超えることが度々あるが、百四丈の滝は私たちに圧倒的な姿を見せてくれた。 滝への下降は広大な雪面をその地形を読みながら下降する。この時期は、クラストした雪面や最中(モナカ)雪などその状態は刻一刻と変化する。 十分に注…

百四丈の滝

それは一里野温泉スキー場付近から入山し、長倉山を経由して美女坂の頭を越えると見えてくる。 息を呑む様な巨大な雪尾根の左側に恐ろしく大きな谷があり、その奥に百四丈の滝が耳を擘く様な音を立てて流れ落ちている。 その滝の周りには巨大な氷壺がある。…

好きな仕事かそれとも、仕事を好きになるか

自分の好きな事を仕事にできる人間は一体どれくらい居るだろう。 ある意味では、好きな仕事など考えた事もなく、単純に目の前にあった仕事が、今の仕事になっている人の方が多いのかもしれない。 だからこそ、仕事が面白くない、仕事が大変と嘆く前に、与え…

56回目の誕生日

気づけば56年の月日を積み重ねてきた。 歳は撮るものではなく、積み重ねるものだと言われるが、さて自分は積み重ねることができたのだろうか。 二十歳の時56歳の大人を見ると遠い未来のことで自分自身に起きる事だとは思いもしなかった。目の前の時代を、そ…

モチベーションを上げる?

最近の若い社員のモチベーションを上げる為にはどうすれば良いのだろう、という言葉をよく耳にする。 今日も、来社されたお客様と話をしているとその事に悩んでいる様だ。モチベーションを上げる為に、様々なセミナーに参加させているとも話していた。 確か…

不完全を完全に近づける

完成した消防車両を眺める。現車を目の当たりにすると、図面上で見えなかったものが視えて来る。こうすればもっとより良くなったのではないか、もっと使いやすくなったのではないか、何故このようにしたのか。 反省点が次々に見つかる。 ものづくりには完全…

教育を残す

敬愛する経営者は、何に投資するかが未来を大きく左右すると言っていた。 例えば、資金を株式等に投資する事も良いだろう。節約してコツコツためるのも良いかもしれない。多分、未来に不安を持つからこそ貯蓄をするのだと思う。 彼は、子供たちにお金を残す…

那智わねいの会

不二越とのお付き合いはかれこれ二十年にになる。工作機用自動消火装置の提案に伺ったのが最初だ。 結果は散々だったが、正門付近に置いてあった年代物の消防車両が目についた。 聞くと、消防設備代替え用と自衛消防隊として使っている事が分かった。これな…

七年経った

その時、私は名古屋高速道路の上にいた。車載テレビから緊急地震速報が流れ、近くの出口から急いで一般道路に降りた事を思い出す。 間をおかず大きな揺れを感じ、ビルから人々が飛び出してくる様は映画のワンシーンのように思えた。日本PTA全国会長会議の会…

どうすれば出来るか

できない理由を並び立て、それを実現するのは難しい、と発言するのは技術者として失格である。 以下の様な問題点があるが、この様にすれば解決する事が出来る、と発言するのが正しいのである。 同じ時間と頭を使って、出来ない理由を考えているようでは、成…

GFRPストラクチャーの未来

GFRPストラクチャーは、これまでできなかったことを可能にしてくれる。 比重は鉄の1/4であり、比強度(単位重量当たりの強さ)は鉄の2〜6倍だ。従って、同じ強度を得ようとすればその重量は圧倒的に軽くなるのだ。 CDー1型には1500リットルの積載…

小姑(こじゅうと)が必要な時代

亡くなった祖母には、お箸やお茶碗の持ち方、食事をする時の姿勢など細かく注意をされた事を思い出す。 当時はうるさいとしか思えなかったが、翻って見ればお箸もお茶碗も今は正しく持てる。食事をする時も、とりあえず人には恥ずかしくない姿勢で食べる事が…

あるべきものが、あるべきところに、あるべきように、ある

消防車両の製造も、年度末を迎え工程もタイトだ。 こんな時こそ、どうあるべきかを考え、つくりこむ事が大切なのだ。 時間が無いことはお客さまにとって理由にはならない。しかし、時にはあまりにも時間に余裕がなければ価値断基準が変わってしまう事も事実…

見たままでは無い

冬の山の地形は、見たままでは無い。 平らに見えても、その下にシュルンドが口をあけている事が度々ある。脚を置くと腰まで埋まってしまう。下手をすると踏み抜いてしまう事もあるのだ。 したがって、雪面のアンジュレーションをよく観察しながら歩く事が必…

足るを知る

物があふれ、満ち足りた時代だからこそ『足るを知る』心、またそれを感謝する心をもう一度見直す時期がきているように思う。 この言葉は稲盛和夫氏の『生き方』に書かれている。この意味については様々な解釈があるが、どんなに私たちが恵まれているかを知る…

遠かった頂き

槍ヶ岳は、北アルプス南部(飛騨山脈南部)に位置し3180mの頂を戴き、その山頂は槍の穂先のようにシャープであることから槍ヶ岳と呼ばれる所以だ。 様々なルートから山頂を目指すことはできるが、夏でも恐ろしく長いアプローチは多くの登山者の悩みの種…

16年前のチケット

一人の女の子が、家族と東京ディズニーランドに出かけたことからこの話は始まる。 多くあるアトラクションの中から、人気のビッグサンダーマウンテンに乗ろうと、彼女は長い列に並んだ。 自分の番なった時、身長が足らず残念ながら当時三歳だった彼女は、そ…

結論を変えない

未来は不確実なことばかりだ。 しかし、不確実な事を限りなく確実にする事は出来る。未来を明確にイメージし、その実現の為に、何時までに何をするかというロジックで物事を考えればいい。 決して、こう成ったら、ああなったら、こうしようなどと思わない事…