長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

足るを知る

 物があふれ、満ち足りた時代だからこそ『足るを知る』心、またそれを感謝する心をもう一度見直す時期がきているように思う。
 この言葉は稲盛和夫氏の『生き方』に書かれている。この意味については様々な解釈があるが、どんなに私たちが恵まれているかを知る事だ、と理解すると腑に落ちる。
 先日訪れた槍ヶ岳は、アプローチが長く、拠点となる槍平冬季小屋まで雪が深ければ半日を要する。暖房が利き、お金を出せば水が手に入る冬季営業小屋からアプローチするのとは全く違う準備が必要になる。
 当然、電気も水もない。水は雪を融かしてつくる。食料は重装備を背負っての行動を考えると軽量なアルファー米か、フリーズドライ食品になる。
 雪を融かしてつくった水を大切に使い、お湯を沸かすためのストーブの燃料を節約して使う。何が必要で何が必要でないか、行動に影響をする荷物の重量を削るために究極の選択をする。
 そんな状況下に身を置けば、如何に私たちが満ち足りた環境で生活をしているかが分かる。蛇口をひねれば水が出る。寒ければ暖房を付ければすぐに温まる。スイッチひとつで部屋は昼間の様に明るくなる。
 極限状態に身を置くと日頃の生活に感謝の気持ちが芽生えてくる。
 『足るを知る』私たちは恵まれすぎたのかも知れない。
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