長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

遠かった頂き


 槍ヶ岳は、北アルプス南部(飛騨山脈南部)に位置し3180mの頂を戴き、その山頂は槍の穂先のようにシャープであることから槍ヶ岳と呼ばれる所以だ。
 様々なルートから山頂を目指すことはできるが、夏でも恐ろしく長いアプローチは多くの登山者の悩みの種だ。
 特に厳冬期となるとほとんど人が入る事がない為、ラッセルを覚悟しなくてはならない。水曜日からの爆弾低気圧による降雪は思った以上に多く、新穂高温泉からラッセルの連続だ。
 夏ならば槍平小屋まで二時間半ほどの行程だが、6時間近くかかってしまう。槍平冬季小屋は雪の下になっていた。スコップで入口を掘り起こし、ビバークの準備をする。
 冬季小屋の中はマイナス5〜10℃ほどか・・真っ暗で恐ろしく冷えている。夕食は熱々の麻婆豆腐で体を温め、20時には就寝。
 翌朝3時に冬季小屋を出発。中崎尾根に取り付き、奥丸山から千畳乗越へ。途中カリカリの斜面をトラバースし、千畳乗越の取り付きでロープを出す。ここまでくれば、槍ヶ岳の山頂までは二時間ほどだが、笠が岳方向に嫌な雲が出てきている。また、高気圧による急激な気温の上昇は雪崩のリスクが大きくなる。
 山頂まではいけるだろうが、次の日に下山出来なくなる可能性があるので、ここで引き返す事にする。山頂は目の前だが、無事に予定通り戻れる事が大切だ。
 少々心残りだが、山は逃げない。またくれば良いと自分に言い聞かせ槍平冬季小屋へ戻る。早々にビバークの準備をする。
 話は変わるが最近のアルファー米、ドライフーズは良くできており、ストレスなく美味しくいただける。
 軽く美味しく、技術は進歩したものである。
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