長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

2017-01-01から1年間の記事一覧

大晦日のアイスクライミング

木曽駒ヶ岳、宝剣岳の雪山登山から無事帰還し、大晦日は湯川のアイスクライミングゲレンデに移動する。 夏は白糸の滝のように岩の間から水が染み出していて、冬になるとそれが凍結し、自然のアイスクライミングゲレンデとなる。 最近教えを請うている山岳ガ…

息が凍って窒息する

朝目覚めると抜けるような青空の中に真っ白な木曽駒ヶ岳が浮かんで見えた。窓から見える富士山の山頂付近から太陽が顔を覗かせた。 毎年、ダイヤモンド富士を見に多くの人たちが千畳敷にやってくるそうだ。元旦の天候はあまり良くないようだ。一足先にダイヤ…

曇天の金沢から雲ひとつない世界へ

何時もなら31日までかかっていた年賀状を書き上げ、大掃除を完了させ、今年は登り納めに出かける事にした。 厳冬期の剣岳は、ハードルが高くまだまだ技術と経験が不足していることから、もう一年しっかりと修行をし来年の厳冬期に挑戦できればと考えている…

年末の一日

毎年のことながら、年の瀬が押し迫ってからやっとエンジンが掛かるのが年賀状である。 毎年、完成は大晦日ということも珍しくないが、今年は早々に書き上げた。 あて名書きを手書きで書くのが恒例だが、これは、あて名を自分の手で書くことで相手を思い出し…

マグナムボトルと納会

今日で今年最後の営業を終了した。 年度の営業最終日は、車両営業部、製造部で納会を行うのが毎年の恒例だ。毎日、遅くまで残業続きで、みんな疲れているはずなのに、若い人たちを先頭に異様に元気だ。 本年度はジャンプアップの年だった。6年の歳月を費や…

お客様が中心

仕事は、お客様のためにある事を忘れてはならない。自分たちの論理や、業界の都合で物事を考え始めると、おかしい事すらおかしいと思わなくなる。 お客様を仕事の中心に据える。 これはものづくりでも変わらず言えることだ。効率を追い求めるがあまり、自分…

能登路と波の花

年末の寒波は、奥能登の冬の風物詩を見せてくれた。 奥能登のお客様を訪問し、年末のご挨拶をすることが年の瀬の行事だ。ご無沙汰をしていてはいけないのだが、久しぶりに顔を拝見してお話をする度に能登の優しさを感じるのである。 穴水を出発し、能登町、…

ノープレー、ノーエラー

和倉温泉の加賀屋は『プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選』において、36年連続総合第1位を獲得していた老舗旅館だ。しかし、36年か続いた総合第一位の座を昨年あけ渡した。 以前、加賀屋の小田社長は、一位でなければ意味がないと仰った。『日本一高い山…

網の目の如く

網の目はひとつの目が、それだけで網の目であるはずがない。他の網の目と関わりあって、網となり網の役割を果たす事ができる。 一方でひとつの網の目は、他の網の目が成り立つために役立っている。この世は全てが網の目のようにそれぞれが繋がっている。 私…

得るために捨てる

人生は思ったほど長くない。 自分のやりたい事を先延ばしにすればあっという間に人生は終焉を迎える。やりたい事はそれを成すためにすぐに実行する事だ。今を変えるからこそ未来は変わるのである。 そう、私たちが何かを成す機会はこの瞬間にしかない。 多く…

未来は不確実なものだ

その場では気づかないが、振り返るとあの時に・・と思う事が人生にはある。また、毎日、当たり前にある事は、それで当然と思うから、それが未来永劫続くように錯覚する。しかし、日常の当たり前を継続できなくなった時、初めてその大切さに気付く。 1分は、…

限界は自分がつくり出し、ゴールはそのちょっと先にある

限界は、人が決めているのではなく自分が決めている、自分の限界まできていると思っても、そこで諦めてはならない。 ゴールは、思ったよりも近くにあるものだ。しかし、私たちは、ちょっと手前で諦めてしまう。物事が目標に到達しないほとんどの理由は、そこ…

刺激が次への原動力

今回のタイ国への出張はある意味で大きな刺激を与えてくれた。 設計の補助員として面接した23歳の若者は、日本で言えば六大学レベルの大学を卒業し、非常に高いレベルで3D CADシステムを使いこなす。 また。その様な人材がタイにはゴロゴロしている。また…

問題を整理する

誠に複雑に見える問題も、ひとつずつ整理し問題の本質を見出せば大した問題では無い事が多い。 その為には、正確に物事を捉える必要がある。味噌もクソも一緒くたにし、大騒ぎすると簡単な問題も複雑になってしまう。 また問題では無いことを複雑にしたこと…

SNSの功罪

SNSは多くの情報を私たちに提供してくれる。ネットワークの世界に情報が溢れかえっているのだ。当然すべての情報が正確ではなく、情報を利用する際は、それを取捨選択する能力が求められる。 ずいぶん長く親しんできている登山の情報は、過去においては、様…

帰国へ(空間認識力)

日本体操のホープ内村航平の最大の武器は正確な着地だ。そのずば抜けた技術のベースになっているのが、空中で自らの位置をを正確に把握し、自在に身体を操る能力、「空中感覚」が飛び抜けていることらしい。 平面ではなく、立体的に空間を認識できる能力は、…

タイ五日目(夢見る夢を叶える夢に)

先ずは、こうなったら良いなから始まり、こうしたい、こうなりたいと強く思うようになり、そして必ず成し遂げてみせるという気持ちに進化する。 最初は夢みるための夢なのかもしれない。しかし、本当にやりたいと思う強い気持はその実現のために動き出す。想…

タイ四日目(志をもつ)

前インターナショナルセールスマネージャーの退社に伴いチェス社のインターナショナルセールスマネージャーは、25歳の若者が抜擢された。 また、チェス社の工場長は30歳の青年だ。両者とも私たちの多くの要求を整理、理解し、確実に答えを出してくれる。…

タイ三日目

チェス社を初めて訪れて四年の時間が過ぎた。今回で7度目の訪問となるが、この間お互いのパートナーシップも回を重ねるごとに太い絆になって来た実感がある。 チェス社の協力により、完成した日本初のGFRPモノコックボディは、今年初めて市場に投入すること…

タイ二日目

日本初のGFRPモノコックボディは、ストラクチャー(構造体)としては非常に高度な技術だ。 しかし、構造体だけでは製品として成立する事はない。構造体にとらわれ過ぎると、細かなディテールが置き去りにされがちだ。 これは、妥協とは別物で、あまり意識が…

タイへ

11時羽田発のフライトは二時間以上も遅れてしまった。機材の変更による整備時間の遅延が原因のようだ。 バンコクに到着したらすぐにパートナー企業であるチェスの工場を訪問予定だったが、予定が狂ってしまった。 日本初のGFRPモノコックボディは本年度初…

作用と反作用

今から、三十年以上も前の事である。学生時代に校外実習という制度があった。今で言うインターンシップの制度だ。 私が、赴いた実習先はホンダ技研工業の鈴鹿工場だった。鈴鹿工場では実習生、研修生を受け入れており、私たちは実習生として一ヶ月間そこで働…

小さな事が成長の機会

事務所に入ってくると、先ずは当時ペイペイで若かった私達に声を掛けてくれた。『○○さん、いつもご苦労様』と・・ 他の業者の人は、真っ先に課長、部長のところへ行ってしまったけれど、御社の会長は、そんなところが気遣いのあった人だった。 先日、金沢市…

加賀鳶300周年

1718年、八代将軍吉宗が禄高一万石以上の藩に対し、江戸藩邸を守る大名火消を設置するよう命じた。 それを受けて、加賀藩では江戸上屋敷の防備のため設置されていた自衛消防隊をさらに増強する。 これが加賀鳶の始まりであるとされている。 加賀藩お抱え…

立場で仕事をしない

組織で生きている以上、自分より年上の人と仕事をする機会は少なくない。 年功序列がある意味で崩壊した現代社会では特に珍しいことではない。私たちのような中小企業でもそれは普通に起こっている事象だ。 小さい頃から目上の人を敬い、先輩との関係を大切…

為さざるなり、能わざるなり、非ざるなり

『為さざるなり、能わざるなり、非ざるなり』、その意味は『大抵の事は出来ないのではなくやらないのだ』という事だ。 孟子は紀元前に生きた中国の儒学者である。紀元前から物事がうまく進まない真理を語っている。さらにいうなら、私たちが考えている優先順…

やりたい事とやるべき事

『一流はやるべき事を決めている、二流はやりたい事だけ決めている』 やるべき事とやりたい事・・やるべき事は、今の環境で自分が果たすべき役割である。そしてそれは、目標を設定している時に明確になる。 一方でやりたい事は、理屈ではなく感情的に自分が…

お客様に寄り添う

私たちの存在価値は、消防車両を専用設計することである。 専用設計とは、お客様の求める消防車両をかたちにすることだ。 標準化された車体では不可能な消防車両をフルオーダーのスーツを仕立てるようにつくり込む事が私たちの価値だ。 それは何故か。 消防…

分かっていないという事が分かる

分かったつもり、というのはまだ良い。 分かっていない事すら分からないというのは一番危険だ。学びの手法は様々だが、やはり三現主義が一番良いのだと思う。 『現場・現物・現実』・・・学びの場は現場が最も現実的だ。実際にやってみると、分かっていない…

バランスを取る

世の中はバランスで出来ている。 明暗もそのひとつだ。明るさを増せば影も濃くなる。消防車に搭載されるポンプユニットがいくら性能が良くても、水を吸い込む吸水管の性能が低ければ、その性能を引き出す事は出来ない。 昨今、教えを請うている山岳ガイドは…