長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

宇宙の法則

 クリスマスの時期になるとアメリカのカンサスシティでは『シークレットサンタ』が話題になる。アメリカの実業家ラリースチュワートさん(2007年1月死去)がその『シークレットサンタ』本人である。
 ラリースチュワートさんはもともと裕福だったわけではない。彼は若い頃、職を失い車で寝泊りをしていた。ある時、空腹で無一文の彼はレストランに入り、無銭飲食をしてしまう。
 彼は会計の時に『あっ、財布を忘れてしまった。』と大げさに一芝居打った。その時、店のオーナーのテッドホーンさんは彼に20ドル紙幣を差し出し『落ちていましたよ』と渡してくれた。
 彼はそれを受け取り、お金を支払う。それからも彼は頑張って働くが、どれだけ頑張っても仕事はうまく行かず、とうとう銀行強盗を働こうとする。
 そして銀行で銃を抜こうとしたその時、母親に連れられた少女が預けようとした20ドルを見て、あのレストランで差し出された20ドルを思い出し、自分はあの20ドルが本当にありがたかった、今度は皆に施そうと考え街角で人々にお金を配り始める。
 人々にお金を施し始めると事業は成功し、ラリースチュワートさんはどんどん豊かになっていたそうだ。彼がこれまでに施した金額は130万ドル(1億5千万円)に達する。
 実はこの話には後日談がある。レストランで『落ちていましたよ』と言われた20ドルは本当にお店に落ちていたものだったのだろうか。
 ラリースチュワートさんは数年後レストランにテッドさんを訪ね、その真相を聞くと、テッドさんはこう言ったそうだ。『無銭飲食だということはすぐに分かったよ。あの時の20ドルは僕のポケットマネーだったのさ。』
 この小さな始まりが全米に広がり、今ではクリスマスの時期になるとラリースチュワートさんの遺志を引き継ぎ、街角では『シークレットサンタ』が温かい話題を振りまいているそうだ。
 『情けは人の為ならず』温かい気持ちはめぐりめぐって最後は自分に戻る。そして、社会を温かくするのである。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ 人気ブログランキングへ