長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

驕れる者も久しからず

 半世紀続いた自民党政治に終止符が打たれた。昨晩は眠い目を擦りながら選挙の開票の行方を見守った。石川一区、二区、三区とも激戦でなかなか当確が出ない。
 石川の全ての選挙区で当確が出たのは十二時も過ぎていたと思う。結果は各候補とも小選挙区では敗北しても比例で復活当選を遂げた為、結果として自民、民主とも全員が当選した。
 比例区の重複立候補というのは、候補者にとってはありがたい制度なのかも知れないが、個人的には納得のいかない制度だと思っている。小選挙区で票が取れなかったということは民意がその候補者を否定したのにもかかわらず、復活当選自体が理解できない。
 いずれにせよ今回の衆議院議員選挙は民主党の圧勝であった。
 石川のある候補者が勝利インタビューをあるテレビ局の記者から受けている時、その放送局が世論を先導したと批判的な発言をしていたのが耳についた。
 たぶんとても厳しい選挙だった為、思わず口をついて出てしまったのだろうが、これはいただけなかった。この選挙の結果はマスコミが先導したことにより起こったのではなく、これまでの自民党政治に対しての民意であることを真摯に受け止めるべきだろう。
 原因を外なるものに転嫁しても問題は解決しない。原因自分論で考えることで初めて問題は解決に向かう。
 今回の選挙結果で自民党は生まれ変わるすばらしい機会を得たのだと思う。対して民主党政権政党としての重い責任を負うことになる。全てはトップになって初めて見えてくるものがある。
 また、その他の政党(特に社民党)との連立は心配だ。国家の安全と、外交問題は特に重要だ。政治思想が違う党と参議院で連立の実績を前提に、連立政権を組むことは無理がある。ここが崩壊の糸口にならないことを祈りたい。
 そして、今回の選挙結果で最も重い責任を負うのは有権者である私たち国民であることを忘れてはならない。
 『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現す。驕れる者も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。猛(たけ)き者も遂には滅びぬ。偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ・・』
 平家物語の一文である。
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