長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

靴を売らない靴屋の話

 靴屋が靴を売るのは当然の事だが、靴を売る事が目的ではない靴屋がある。この靴屋の主人はある靴との出会いで靴を売らない靴屋を始めた。
 以前、彼は足に悩みを抱えていた。何時も靴を履いて歩くたびに痛くて我慢しながら歩かなくてはならなかった。ある時、自分の足形をとり、それに合わせてオーダーメイドで作ってくれる靴に出会い、足の悩みは嘘のように解決したのである。
 その靴にほれ込み彼は販売を始めるのだが、オーダーメイドで作る靴は高いものだと8〜10万円にもなり、なかなか売れなかったのである。
 彼は靴を売るのではなく、足に悩みを抱えている人たちに足に関する情報を提供し始めたのである。靴の特徴を話すのではなく、足の話をしたのだ。
 すると、足の悩みを抱えている人がひきり無しに店にやってくるようになった。足に悩みを持っている人が知りたいのは足に関しての情報なのである。靴の宣伝ではなく、足に関しての専門家がいれば頼りにしてくれる。
 靴を作るのは結果としてであり、彼らが売っているものは『歩く喜び』なのだ。
 私たちの企業は何を売っているのだろうか。消防車なのか、消火器なのか、消防資器材なのか、メンテナンスなのか、それともAEDなのか・・・
 今一度良く考えてみて欲しいのである。
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