長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

便利さと引きかえたもの

 子供の頃、田んぼの中の通学路を通って学校に通った。春先にはお百姓さんが苗代で苗を育てていた。5月にはみんなで田植えを行い小さな苗が風にそよいでいた。
 夏を迎える頃には青々とした稲が力強く育ち、青臭い匂いが記憶に残っている。秋は黄金色に実った稲穂が頭を垂れ、刈り取られた稲がはさに掛けられていた。
 こんな、風景を見ていたのでお米の粒を残してはいけないと言われても何となくそれを理解することが出来た。今ではそんな風景を見る事も難しい。
 また、携帯電話など無かった時代、約束の時間に遅れない様、会社や家を早めに出発したものだ。また、約束の場所も詳しく決めていたように思う。今では携帯電話があるのでわからなければ電話をすればよい、と安易に考えているように思う。
 友人の家に電話をかける時も夜の時間を気にていた。21時以降は迷惑になるからと遠慮していた。また、相手の家族に対する言葉づかいにも配慮をしていた。
 こんな環境が微妙な人との距離感やマナーを育てていたように思う。現在では20年前と比べれば格段に便利になったが、それに引き換えて失ったものもその影にあると思うのは私だけではあるまい。
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