長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

石の上にも三十年

 『石の上にも三十年』イタリア在住の彫刻家奥村氏の言葉である。昔から『石の上にも三年』というが、三年では何も解決しないと彼は言う。
 どんな事でも、三十年頑張るつもりでやれば、どんな事でもものになると語る。彼は、バブルの頃、日本からイタリアに移り住む。
 その時は、日本からイタリアの彫刻家に沢山の仕事が舞い込むが、バブル崩壊とともに、仕事は無くなり、収入はゼロになってしまう。
 通常なら、そこで日本に帰ってしまうのだろうが、奥村氏は最後の1%の望みに掛け、グレコの元に通うのである。
 そのときのグレコの言葉が彼の人生を決定する。君はリアリズムだ。
 この言葉を、胸に奥村氏は徹底したリアリズムを追求し、ある伯爵の像を手がけた事で彼の名前はイタリア全土に広がるのである。
 そして、ヨハネパウロ二世のブロンズ像を完成させ、その像はバチカンの中枢部に今でも置かれているのである。
 石の上にも三十年。。。どんな仕事も、情熱を持ち取り組めば、必ず道は開けるのである。
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