雪のルートファインディング
10月末の寒波は北アルプスに雪をもたらした。
紅葉が終わり短い山の秋は一気に冬に向かう。昨年は10月末から11月にかけて大量の降雪があり立山アルペンルートも早々に営業を切り上げたのもつい昨日のようだ。
毎年、11月のアルペンルートの営業終了の直前に立山三山を歩くのが昨今の行事のひとつだ。今年はちょっぴり早めの入山である。
雷鳥沢から雷鳥坂を剱御前小屋まで直登するのが降雪した時のルートだが、今年は積雪がそれほどでもないので途中まで夏道をたどる。
剱御前小屋直下は30cmから吹きだまりでは50cmほどか。新雪のためアイゼンがうまく効かず、パワーが食われて歩きにくい。稜線では風速15m前後の風が吹いており、厳冬期装備を整える。小屋の陰から一歩踏み出すといきなり風に煽られる。
真砂までは先行のトレースがあったが、どうもあまり良くないと感じた為、途中から無視してルートを確認しながら進む。そんなことから真砂岳からはノートレースだ。
稜線は完全にガスの中で、雪の白にガスの白のおかげで自分がどこにいるかよく分からない。途中、二箇所ほどあまり良いと言えないルートを選択した為、リカバリーに雪壁を登るハメに。
岩に付いている雪はまだふわふわで安定しておらず、少々肝を冷やした。
多分、教えを請うていた山岳ガイドが知れば、何をやっているのかと言われただろうが身につけた技術が今回は役にたったと言っても過言ではないと思う。
何度も歩いた立山三山も雪が降れば全く別の顔を見せるのである。
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