長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

原因


 五箇山近辺には合掌づくりの集落がある。先日、会社の朝礼である社員が家族で合掌づくりの集落に出かけた際に、防災訓練の現場に出会った話をしていた。
 合掌づくりの集落には放水銃があり、綺麗な水のカーテンをつくっていたそうである。
 私がまだ東京で仕事をしている頃、ある、大きな寺院に、当時最新の消火設備を納入した。火災を検知するセンサーは炎センサー(炎の赤外線を感知するもの)で火災を検出すると、ポンプが作動し、地下から放水銃が自動的にせり上がり、左右に首を振りながら放水するという、今でも最新の設備の部類に入るだろう。
 しかし、この設備にはひとつ問題があった。炎センサーである。誤作動を繰り返し安定しない。現場で機器を持ち込み調査すると、夕方のある時間帯に限って誤作動することが判明した。
 また、土曜日と日曜日には不思議と誤動作が起きない。現場に張り付いていると、夕刻のある時刻にその寺院にある幼稚園の園児がセンサーの前を横切ったときに誤作動することがわかった。炎センサーは炎特有の赤外線のスペクトル(4.4μ)を感知し、炎の約3〜4Hzのゆらぎをカウントする。この条件が一致したときに炎と判断していた。
 夕刻になると寺院の漆喰の壁に太陽光線が当たりなんと、子供たちがその前を歩くことによって4.4μのゆらぎと同じ条件をつくり出していた。土曜日と日曜日に誤作動が起きなかったのも、幼稚園がお休みであったからである。
 物事には原因があり、そして必ず結果があるものである。トラブルが起きた時は真摯に状況を受け止め、冷静に原因を見つめることが大切であると感じた出来事であった。
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