長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

日本人


 昭和20年、終戦の年、東京はまだ焼け野原だった。軍人で日系アメリカ人のジョージ有吉は靴磨きをしている子どもに目がとまった。
 戦争は沢山の戦争孤児を生んだ。ジョージ有吉はその少年を『かわいそうに』と思い、少年に靴を磨いてもらうことにした。靴ずみで汚れた手で少年は一生懸命靴を磨いた。
 ジョージ有吉は少年に『君、お腹が空いていないかい?』と問いかけた、少年は小さくうなずいた。
 ジョージ有吉は兵舎に戻るとパンにたっぷりのジャムを付けたサンドウィッチを持ってその場に戻り、少年に渡した。少年は『ありがとう』と言うと、そっと懐にそのパンをしまったのだ。
 ジョージ有吉は少年に『何故食べないの』と問いかけると、少年は『家には3才の妹が待っているんです。ひもじい思いをしている妹に先ず食べさせてあげたいんです』と答えた。
 ジョージ有吉は『ああ、日本は大丈夫だ。日本人は死んではいない』と思った。少年は自分もひもじい思いをしていただろう。何日も食べていなかったかもしれない。しかし、そんな環境の中で弱者をいたわる気持ちをもっていた少年にジョージは日本人を見た。
 ジョージ有吉はその後軍人を辞め、日系人ではじめてのハワイ州知事になった。
 この話を皆さんはどう思うだろうか。この話は事実に基いている。今の日本は食料の自給率39%、61%の食料を世界各国から輸入している。
 コンビニエンスストアーで賞味期限が過ぎたという理由で、捨てられるお弁当やおぎにり等の食料は年間1900万トンである。
 世界で飢餓に苦しむ子ども達にに援助されている食料は年間700万トン〜1000万トンである。日本人が年間、捨てている食料で飢餓にあえぐ子ども達を救うことが出来る。
 私達は歴史を学ばなくてはならない。歴史を学ぶということは年号を覚えることではない。歴史の中から何を学ぶかが大切なのである。
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