お気に入り【その3】金港堂のシャツ
私は学生の頃、体がとても小さかった。高校に入った頃、身長はたぶん160cm無かったと思う。
気は強いが、それに体がついていかなかった。まあ、体が小さいと学校でもあまりよろしくない。
いろいろと嫌なことも多かったように思う。
ある時、一念発起して、お袋に弁当を二つ、つくってもらい、10時と12時に弁当を3時にパンを買って食べた。
そして、ウエイトトレーニングを狂ったようにやった。お陰で見る見る体は大きくなり、身長も170cm台になり、胸囲は120cmにもなった。
お陰で今でも吊るしのワイシャツは体に合わない。
宮谷君は私の大切な友人のひとりである。彼は片町で金港堂という、オーダーシャツ専門店を経営している。彼から聞いた話であるが、金港堂の金港は横浜のことをいうらしい。
彼のおじいさんは上海でワイシャツの仕立てを学び、金沢で金港堂を創業したそうである。
私は、ワイシャツは何時も金港堂で仕立ててもらっている。少々、お高いが吊るしのワイシャツが前述した理由で着られないため、体に合わせて仕立ててもらう。
5年ほど前は一年のうち夏と冬では体重が7kgほど変化していたので、ワイシャツをつくる度にサイズが変わり、彼に迷惑をかけていた。
金港堂のワイシャツはとても丈夫である。長く着ていると襟や袖がすり切れてくるが、その時はその部分だけを直してもらい着ている。軽く4〜5年は着ることができるので、吊るしのシャツを毎年買うよりは経済的である。
そして何よりも寸分たがわず仕立ててくれるので、体にピタリ合うのである。吊るしのシャツだとある部分が合わず肩がこってしまう。肩がこると仕事の生産性も上がらない。そういう訳で金港堂のシャツは私の愛用品のうちのひとつである。
私たちが製造する消防車も消防戦術と地域の特性にピタリ合わせてつくる。
つくる物は違ってもお客様のために心を込める『ものづくり』の根っこの部分は変わらない。これからもお互い誇りを持って仕事をして行きたいものである。
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