傍をらくにする。
昨日と今日の二日間は出張であった。出張の移動時間は本を読むのに最適である。東京への航空機の中や電車の往復で文庫本ならば一冊読めてしまう。
今日は先日ご紹介した、商人道『江戸しぐさ』の知恵袋という本を読み返した。一度読んだ本を読み返すことはあまりしないが、この本は非常に感銘を受けた本で、ついつい読み返してしまった。二度読むと一度目とは違うところが目につく。
例えば、『傍をらくにする。』という言葉は、働くの原語であると言われている。すなわち、『傍』←周りを『らくにする』←楽にする。これが働くとなった。
だから、働くとは自分の為だけではなく、社会の為、周囲の人の為であるということを教えてくれている。
私たちの会社の企業理念の最終目的を紐解くと、『地域社会に貢献する』とある。働くということは、自分が一生懸命努力したことが有機的につながり周りが良くなって、巡り廻って自分に返ってくる。
また、忘れるという漢字も『心』を『亡』とかく。商人がお客様からの注文を忘れたりすることは大変なことであると教えた。(私自身への戒めである。)
この様に『江戸しぐさ』の基本はすべて思いやりが基調となっている。今の日本にはびこるねじれた『個人主義』は殺伐とした雰囲気や社会を作り出すように思えてならない。今一度『江戸しぐさ』の復活を望むのは私だけであろうか。
- 作者: 越川禮子,林田明大
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- 発売日: 2006/11/01
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