信用と信頼
新潟県中越地震で崖崩れの現場から、幼い子供を救出して感動を呼んだシーンは今でも記憶に新しい。その救出の中心となったのが、東京消防庁『ハイパーレスキュー隊』である。
『ハイパーレスキュー隊』通常の消防隊では対処が難しい、特殊な災害の為の専門部隊である。
その、部隊長を務めるのが宮本和敏氏である。NHKのプロフェッショナル仕事の流儀は私の大好きな番組のひとつである。
今回は、東京消防庁ハイパーレスキュー隊隊長の宮本和敏氏を取り上げていた。仕事はつくる側と、使う側という違いはあるがハイパーレスキュー隊の厳しい訓練と指揮官としての姿勢には本当に学ぶべき点が多い。
私は過去に、お世話になったある経営者から部下は『信用しても信頼するな』と言われたことがある。最初はこの言葉の意味が良く理解できなかった。
人間は必ず失敗する生き物である。だからそれを前提に考えなくてはならない。
『信用』とは信じて用いることを言い、『信頼』とは信じて頼ることを言う。私たち経営者は信用して用いても、信頼して頼ってはいけない。全責任は自分にあるということを理解しなくてはならない。
宮本和敏氏はこれを言っているのだと思う。信用しても100%の信頼はありえない。部下を信じて用いても、信じて頼っては命を預かる災害現場では危険であることを経験から知っているのだろう。
彼の『やれば必ずできる。皆で達成感を味わおう。』という言葉は指揮官としての姿勢を表している。感動と共に自分の未熟さを痛感した番組であった。
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