長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

シャツにもポリシーがある

 金港堂の宮谷さんは青年会議所で知り合い、もう十年来の友人である。何度かブログで紹介させて頂いたが、彼は片町でオーダーシャツのお店を経営されている。
 お店に伺うとシャツのことだけではなく、衣料品業界の問題点や経営の難しさなどを話してくれる。先日もオーダーシャツだけに特化して商売をすればたぶんある程度の利益を上げることができるはずだが、金港堂にはお客様から置いて欲しいと言われ、下着(金港堂に置いてあるという下着は余りイメージできないが・・)までおいてあるそうだ。
 では何故、いろいろなもの置くのだろう。オーダーシャツを買い求めるお客様は金港堂に求めるプライオリティーは間違いなくオーダーシャツなのだろう。
 すなわち選択と集中をすると入り口が狭くなってしまうのかもしれない。反対に様々なアイテムを置いておけば(何でもかんでもでは困るが・・)入り口が広くなり、最後はオーダーシャツにもつながって来るのだと思う。
 私は衣料品業界のことは素人だが、そんな難しさがあるのかもしれない。
 中華料理店のラーメンよりラーメン専門店のラーメンが圧倒的に美味しいことを思うと難しい選択だね、ということで話は落ち着いたが、帰り際に『この前話していたシャツはこれですよ。』と見せてもらったシャツは素人の私が見ても誠に手の込んだ細工がしてあった。
 『凄いね。』というと『作ることは技術的には問題ないけれど金港堂のポリシーから外れているからブログには公開しないんですよ』と言っていた。
 ものづくりにはひとつの哲学といっては大げさかもしれないが、一本筋の通った考え方があることは消防車もオーダーシャツも同じなのだな、と思った。
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