長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

感動した!

 今日、友人が会社を尋ねてきた。彼は青年会議所時代に同期で入会し、それこそ『同じ釜の飯を食った』友人である。
 残念なことに三年ほど前に彼の会社は不幸に見舞われ、廃業しなくてはならなくなった。会社を廃業するということはどれだけ大変なことかは経営者ならわかるはずだ。
 それを乗越え、今では小さいながらも会社を経営されている。これまで外で会うことはあったが、わざわざ会社を尋ねてくるのには何か特別な用事があったのだろうと思いお会いした。
 早々、ひとつの包みを差し出し、これを納めて欲しいという。『何ですか?』と尋ねると、三年前会社を廃業する前に、何枚かの商品券を発行したのだが、誰が持っていたのか分からなかったとのことだった。
 その一枚を私が持っていたということを、先日、ある会合で知り、当時、迷惑をかけたことがずっと胸につかえていたそうである。
 法的にはすでに整理がつき、私も全く気にしていなかったのだけれど彼の誠実さがそうさせたのだと思う。
 今ではその商品券を使うことも叶わないので、その代わりの品を持ってきてくれたのだ。
 僅か数千円の商品券だったと記憶しているが、その姿勢に私はとても感動した。
 とても小さなことかも知れないが、彼のずっと胸につかえていた、という責任感と彼の気持ちを考えると、こみ上げるものがあった。
 現在、経営者の倫理観、責任感が問われる問題を目にすることが少なくない。そんな中で自らの責任を自覚した彼の行動に経営者としてのすばらしい資質を見せて頂いた。
 『損得』だけで物事をはかるのではなく、『正しいかどうか』という価値観で物事を図ることが出来る経営者でありたい。
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