長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

嘘と本当のあいだ

 今日、金沢RCのお昼の定例会で直木賞作家である、村松友視先生のお話をお聞きした。『嘘と本当のあいだ』という演題がとても興味を誘い、どの様なお話をして頂けるのか、ワクワクしながらその時を待った。
 私は作家と言われる方のお話を聞くのが初めてだったのだが、お話の中の言葉の豊富さと、その情景が思い浮かぶような言い回しはとても素晴らしいと思った。
 お話の中で『以前、駅で面白い日本語を聞きました。』『ある女性のお客さんが駅員さんに今日、空席は空いていますか?』との問いに駅員さんは『今日、空席は満席です』と言ったそうである。
 なんとなく聞いていると、聞き流してしまうが、誠におかしな日本語である。

 また、昔はお婆さんにリンゴの栄養は、皮と実の間にあるから全部食べなさいと言われた覚えが皆さんにもあるのではないだろうか。
 でも良く考えると、リンゴには皮と実しかなく、その間には何も存在しない。ありもしない、見えもしない幻想がリンゴの皮と実の間にあるように、嘘と本当の間とはこのようなことを言うのではないか、とお話された。
 この不思議なエキスを感じ取れることが感性であり。私のように頭の固い人間にはとても新鮮な見方として映った。やはり直木賞作家は違うと納得したのである。
 物事は様々な角度から見よと言いながら全くできていない自分が歯がゆく思った瞬間であった。
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