長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

雫ちゃん


 我が家の軒先には今、一匹の子ガメが住んでいる。昨年の秋、子ども達が通う小学校で、植えた芋の収穫をしていたところ、芋と一緒に草亀の卵と卵から孵ったばかりの子ガメが出てきたのである。
 当然、子ども達は、子ガメも、ましてや亀が卵から孵る所など見たことがあるはずも無く、大騒ぎになったらしい。学校の池に放してやろうとした所、親の草亀に池の中の魚を食べられてしまったらしく、子ども達が家に持って帰ることになった。
 ここでもうひと悶着あったようだが、私の家にその中の一匹がやって来たのである。早速水槽を買い求め、亀用と称する引き砂を買い、浮島まで設置してあげた。
 冬の間は殆ど餌も食べず、じっとしていただけだったが、春の到来と共に活発に動くようになった。今日は天気が良かったので、子ガメを日向ぼっこさせてやると、気持ちが良いのかすたこら歩き回っていた。
 子ども達はこの子ガメに『雫ちゃん』という名前をつけて可愛がっている。昔は亀をはじめ、めだか、フナ、ゲンゴロウ、バッタ、ザリガニ等が私たちの周りに普通にいたのだが、最近は全く見なくなった。
 生き物が生きていること、そしてその命が尊いことは普通の生活の中から学んだ。産業が発展し、私達の周りから身近な生物が姿を消して久しい。身近な環境から多くを学び、価値観を醸成していたのは私だけではないだろう。
 今の子ども達は何不自由なく多くのものを持っているが、それと同時に無くしたものも少なくないのではないだろうか。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ