長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

脳の働きの外化(がいか)

 昨日のPTA大会で講師の清川氏が語った『脳の外化』という言葉が妙に心に残った。『外化』という言葉自体はじめて聞くので、調べてみると『自分の考えを他者に説明するために文章を書いたり、図を作ったりして理解の過程を見えるようにすること。』と書かれていた。
 多分、清川氏はこの様な意味で使ったのではなく、本来人間が持っていた能力を何かに求めてしまうことを言いたかったのだと思う。
 例えば現在電子辞書を使用している人が少なくないと思う。以前、娘が『電子辞書が欲しい』と言って来たが買い与えなかった。
 それは電子辞書も紙の辞書も言葉を調べる事ができるという結果は同じなのだが、全くプロセスが違うのである。電子辞書は言葉を入れてボタンをすだけで結果が得られるが、紙の辞書は先ず調べる単語の頭の文字を探し、次にその次の単語の文字を探す、といったように順番に単語を脳で認識していく、というプロセスを踏んで文字を調べる。
 即ち脳で考えているのである。しかし、電子辞書はそのプロセスを『外化』させてしまうことで、ひとつの文字を調べる際に脳で考えていた事を考えなくても良くしてしまった。
 脳は考えるからこそ鍛えられる。これは筋肉も同じことで使わなければ退化してしまうのだ。
 確かに世の中は便利になった。この『外化』は様々なところで発生している。ナビゲーションの発達により道を覚えなくなった。ワープロソフトの発達で漢字が読めるが書けなくなった。
 このままで行くと人間の能力はますます退化していく様に思えてならない。
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