長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

現在の政治と龍馬の心

 昨日、大河ドラマ龍馬伝』が最終回を迎えた。坂本龍馬大政奉還を成し遂げ、明治維新を先導した。よくよく考えてみれば、名も無い土佐藩の下級武士が日本を動かした。これは驚くべきことだと思う。
 坂本龍馬は多くの言葉を残しているが、それに共通するキーワードは『志』という言葉である。龍馬を突き動かしたエネルギーは新しい日本を作りたいという大きな『志』だった。
 大政奉還を成し遂げるまでには様々な問題が立ちふさがったが、それを成し遂げることができたのは龍馬の視点が何があっても彼の『志』からぶれなかった事に他ならない。
 この『龍馬伝』と今の世の中の状況が重なって視えるのは私だけではあるまい。党利党略を考えているとしか思えない発言と行動をしている昨今の政治家と、日本国のことを考え散っていった百五十年前に生きた坂本龍馬を比べる時、何か釈然としない。
 『龍馬伝』の内容は一部、史実と異なっていることは承知しているが、近江屋で中岡慎太郎が、龍馬が書いていた新政府の人事案の長には誰がなるのかという問いに、龍馬は『志があれば誰でもその国の長となり、そしてそれを違う視点を持った人間がみんなで支えればよい』と答えた。
 昨日の金沢市長選では六期を目指した現職の山出市長が新人の山野之義君に敗れた。山野之義君は青年会議所時代の卒業同期だ。彼は非常に明晰な人物で問題の論点が何処にあるかを鋭い視点で見抜く目を持っている。しかし、出馬表明をした時点ではダブルスコアーで負けるだろうというもっぱらの噂だった。
 今回の選挙の勝敗を分けたのは現職の市長の高齢多選批判だけではなかったと私は思う。ダブルスコアーを跳ね除けたのは山野之義君の『新しい金沢をつくりたい』という大きな『志』だったのでは無いだろうか。これまでは現職があまりにも強すぎ、立つ者すらいなかった。途中まではそんな空気も流れていた。そんな逆風の中で決断した彼の『志』に共鳴した仲間が彼を支えたのだと思う。
 世の中を大きく変えることができるのは先ず、何事にも負けない一人の人間の勇気ある『志』だ。それが大きな流れを作り不可能を可能にするのである。
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