長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

語り継ぐ事の大切さ

 先日の金沢市消防出初式で発生した管艙離脱事故は八人の負傷者を出す事態となった。怪我の程度は軽かったのは幸いだった。
 事故の詳しい原因はこれから調査委員会で解明されていくだろう。したがって原因等については記さないでおこうと思う。
 ただ、この様な事故の原因の中で、当然出来ていると思う事が出来ていなかったり、当然知っていると思う事が伝わっていない事が少なくないものだ。
 例えば出初で使用している管艙支持具に取り付ける管艙は、アルミ製ではなく真鍮製を使用する必要がある。
 何故なら管艙支持具の構造上、アルミ製管艙では握手の強度が反動力に耐える事ができない。仮にノズル径28mmでノズル圧力が0.7Mpaならば反動力は86kgfに及ぶ。
 これは当然二人の力でも保持できない。そんな力が衝撃荷重として働けばその力は約2倍以上で、握手は破壊してしまう可能性がある。
 私たちは以前から管艙支持金具を使用する際は真鍮製の管艙を使っていただけるようお願いしてきた。今回の事故を受けて、写真を分析してみると管艙支持金具にアルミ製の管艙を装着している分団がいる事がわかった。
 即ち、大切な事が語り継がれていないのだと思った。私たちは消防車メーカーとして単に消防車両を製造するだけではなく、ソフトの面でも私たちが持っている情報を伝える必要性を強く認識した。
 語り継がれるものはどこかで薄くなってしまうものだ。だからこそ、大切な事は仕組みとして確立しておく必要があると思うのである。
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