長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

予算は前年対比で作るのではない

 予算の説明を聞いていると『前年対比』という言葉が良く出てくることがある。この『前年対比』という指標は昨年と比べどうだったかという事だけを見るには問題がないが、大切な視点は何故この予算になったのかという事である。
 企業も行政も組織は必ず成長し、変化していなくてはならない。そういう意味では予算は変化に対して策定すべきで、前年対比で策定するものではない。
 企業と行政では仕組みが大きく異なる為、予算の意味合いがまったく違う事は承知しているつもりだ。
 企業では予算は達成すべきものであり、企業としての目的を達成し、成長する為にはどの様な事業を行い、どう実現するかを私たちは考える。行政では予算は如何に獲得し執行するかが目的となる。すなわち、収入を達成するという視点が弱く、足りなければ国債でも地方債でも発行してまかなうという考え方が主流だ。
 したがって国債で900兆円、地方債で約138兆円の残高を抱えることになる。
 今日は公務で県庁へ出向き、次年度の教育委員会の事業説明を受けたが、予算ありきの事業説明に終始した。大切な事は世の中の現象を捉え、そこから目的を明確にし、目的を実現する為には何を行わなくてはならないかというロジックから予算を導く事が必要だ。
 しかし、現実には必要な事から組み立てられるのではなく、上司への説明が付きやすいものが優先されていると感じた。世の中で必要なことは目に映っている事だけではなく、大切な事ほど目を向け観る努力が必要なのである。
 事なかれ主義は組織を成長させない。摩擦を恐れず正しい事を正しく行って欲しいと願うばかりである。
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