長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

愛される販売術

 以前に山形新幹線のカリスマ販売員の事を記した事がある。彼女は片道399名、延べ798名のマーケットの中で一般の販売員の約四倍の売り上げを上げる。扱っている品物は全く同じである。
 全く扱う商品が同じであるにも関わらず、売り上げにここまで差が出るならば何故だろうと興味が湧くところだと思う。
 先日、ある業界誌を読んでいるとこの山形新幹線のカリスマ販売員の記事が載っていた。この方は以前に紹介させて頂いた方とは異なるが同じ会社のチーフインストラクター茂木久美子さんだ。
 彼女も山形出身である。ある時、会社から車内販売でりかちゃん人形を売りなさいと言う事になったそうである。車内販売で売られている商品は一番高いものでも1000円の駅弁とお土産である。そこに一体3980円もするりかちゃん人形が売れるのかと考えれば、普通なら難しいと考えるだろう。
 販売員の口上で『お弁当にホットコーヒーにりかちゃん人形は如何ですか・・・』では殆ど不可能だと思う。しかし、彼女はこれを全部売って見せる。彼女が行ったのは特殊な技でも何でもなく、ある意味お客様の心をお客様の立場に立って考えているだけなのである。
 『りかちゃん人形如何ですか・・』と言ってもお客様は恥ずかしくてなかなか言えないだろう。だから、一人ひとりに『りかちゃん人形お持ちしました。』とやったそうだ。
 すると、最初は『今日は出張だからいらない』と断れることがほとんどだが、二回目に『シリアルナンバーが付いていて珍しいだんべー』と言うと『あんたを信じて買うよ』と、一度に二体も買ってくれたお客様もいらっしゃたそうだ。
 型にはまった販売方法ではなく、常にお客様の立場で考え、同じワゴンの中身でも気温ではなく、体感温度でワゴンに乗せて行く商品をコントロールする等、外から見ていても普通に見える事の中で小さな工夫をしているのである。
 これこそ営業の基本ではないだろうか。売り上げが上がらないと言う前に正しい営業のプロセスを考え実践して欲しいと願うのである。
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