長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

全体最適とスピーディー

 問題が発生したら直ぐにトップに情報が伝達される仕組みが組織には必要だ。私たちの企業の様に僅か70名弱の企業でも情報の伝達の仕組みが非常に脆弱だ。
 先日もお客様をお迎えする準備をしている際、ある部門の社員と一言二言話をしているとその中から現在クレームが発生しているという情報を聞いた。
 内容は放置すれば大きな問題となる事は明白だ。しかし、そんな大切な事が本来のルートから私の耳に入らない事がおかしいのだ。常々クレームが発生したら直ぐに報告するように徹底しているにも係わらずそれがなされない。
 先ずはクレームに対する認識が甘いと言わざるを得ない。企業ではこれくらいの事と思う事が命取りとなる。
 今回の東日本大震災放射能物質の拡散をシュミレーションするためのスピーディーというシステムの情報公開がなされなかった為に多くの国民が被爆をした事実が明るみに出た。
 何故そうなったのかを直ぐに検証し再発を防止すること、並びに被爆した国民に対する対策を何時までにどうするのかを考え実行する事が大切だ。しかし、その責任の所在を官邸、文部科学省経済産業省がお互いに擦り付け合い、結局責任の所持がはっきりしないという中央官庁特有の縦割り行政の影に多くの国民が犠牲になっている。
 先日、『官僚に学ぶ仕事術』と言う本を読んだ。確かに官僚は優秀な方々が多いことは事実だ。しかし、この本を読んで思った事は官僚の仕事にはふたつの視点が欠落している。
 ひとつは生産性という視点、もうひとつは全体最適という視点だ。まさしく部分最適が官僚の仕事の全てのように思える。国民が何を求めているか、企業で言えばお客様の真のニーズは何処にあるのかと言う視点が大切なのだ。
 この部分が欠落した状態で何を行なっても国民との温度差は縮まらない事を認識して欲しい。
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