長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

マクロの視点で価値を見る

 スティーブジョブスがマッキントッシュを開発している時の事だ。マックの起動時間が長いと感じたジョブズは開発担当者のラリーケニオンに起動時間をもっと早くしろ、と指示した。
 しかし、ラリーは今出来る事は全てやり尽くしたと考えていたのでジョブズの指示は到底不可能だと考えた。しかし、ジョブズは三日かかって一秒しか短縮できなくてもやる価値はあると、なんとしてもやれと言ったのだ。
 その時ジョブズはラリーを説得する為にこう言ったそうである。『仮に100万人がこのコンピューターを使うとしよう。彼らが毎日コンピューターを立ち上げれば一年で3億6000万回起動される事になる。3億6000万秒は何人分の人生に相当するかい。50人?それじゃあ、50人分の一生の時間を節約する為に3日間でいいから頑張って欲しい』
 そして、ラリーは起動時間を一秒ではなく3秒短くする事に成功したのである。すなわち、150人分の一生に相当する時間を短縮したのだ。
 ミクロの視点で見ればたかが一秒かも知れない。しかし、マクロの視点で見ればこれは大きな価値を持つのである。
 そんな事からもジョブズは俯瞰的な視点で物を見る天才だったのかもしれない。私たちはついついミクロの視点に陥ってしまう。しかし、マクロに物を見ることは問題の本質を捉え、問題を解決に導く事ができるのである。これはマネージャーにとって最も大切な資質のひとつである。
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