長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

皮膚感覚で仕事を感じる


 毎年、金沢市の中学生が弊社に授業の一環として職場体験にやってくるようになって数年が経つ。
 今回は職場体験で次女が酒の大澤さんにお世話になる事になった。大澤さんは青年会議所時代の友人で大変お世話になった。
 酒の大澤は近江町市場に位置し、石川県の地酒やワイン、ビールなどを販売している。毎年、年末になると酒の大澤さんに伺って、ちょっと贅沢な日本酒とイカ丸干しを買うのが毎年恒例になっている。
 その時、お店の手伝いをしている息子さんを見て、度々羨ましいと思っていた。私も会社を経営しているが、会社で働く姿を子供たちには見せる事は出来ない。
 しかし、家業であれば皮膚感覚で仕事を感じる事が出来るのである。昔、まちには家業で生計を立てていた人たちが沢山いた。日常から皮膚感覚で商売に触れ、自然と仕事の価値観を身につけていった。
 働く意義を誰から教わることなく感じる事が出来たのである。現在ではアメリカ型の大型商業施設が小さな家業を駆逐してしまった。
 それを否定するものではないが、失ったものは家業だけではなく、子供たちの働く意義を学ぶ場所であり、皮膚感覚で感じる商売の空気感、商売を身近に感じながら身につけた社会性だ。
 今ではそれを得られる事は殆どない。子供たちが家業を手伝う事でどれだけ大きく成長するかは計り知れないのである。その家業が酒の大澤さんにはある。
 こんな業態がこれからも連綿と受け継がれて欲しいと願うのである。
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