企業風土・・社長就任祝賀会に参加して

　私たちの企業の社章は桂記章謹製である。桂記章は創業６５年になる社章、バッジ等を作る企業だ。多分観光地へ行くと彼らが作った、ピンバッジや小さな置物を見つけることが出来る。
　実はピンバッジ類の国内シェアの３０％を占める金沢の強小企業である。ピンバッジ業界は日本全国に１４社ほどあるらしいが、桂記章を除いて全ての同業者は生産拠点を中国に移した。しかし、彼らだけは、メイド・イン・ジャパンにこだわり、国内でピンバッジを作り続けている。
　安価でそこそこの品質ではなく、少々高くとも、そこにアイディアで付加価値を創造している結果が国内シェア３０％の数字に繋がっている。
　私たちはかねてからものづくりは理念であると申し上げてきた。ものをつくる技術は理念の下にあり、いくら高度な技術を持とうとも、それを発揮するのはお客様に対する想いである。
　彼らの想いはお客様に対して品質と付加価値をお届けするという事であり、それが国内生産を続ける原動力にもなっている。
　祝辞の中で敬愛する先輩経営者が仰った言葉は私が社長就任の時に頂いたものと同じだった。
　『企業風土という言葉があるが、風土の土は時間が経とうとも変わってはならない企業の哲学や理念であり、風は時代と共に変化する経営の手法や戦略である。この二つがそろって初めて企業は成長する』
　もう一度、噛みしめなくてはならない言葉だと感じた。今日は良い機会を頂いた。澤田社長に心から感謝申し上げたい。

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