傍をらくにする・・職場体験の子ども達

　『江戸しぐさ』は江戸商人の心構えである。良き商人として如何に生きるべきか、また共倒れしないために、如何にして円滑な人間関係を築くか。
　すなわち江戸商人の考え方、生き方、口の利き方、身のこなし方等、江戸商人の円滑な人間関係を築く知恵、共生のための生活哲学である。
　その江戸しぐさのなかに、働く事の意味が書かれている。働くとは『傍をらくにする』という意味だ。
　傍とは周りの事をいい、らくが楽となった。すなわち、働くとは、周り（社会）を楽にする事であり、社会に貢献する事をいう。そして、社会に貢献する事は、人に貢献する事に等しく、人を幸せにする事なのである。
　すなわち、働くとは、人を幸せにする事だと言っても良いだろう。職場体験から子ども達は社会の仕組みの一端を学ぶが、最も学んで欲しいのは働く事の意義なのだ。
　機会があれば、経営者は教壇に立ち、子ども達の職業感を醸成する事に一役買って欲しいと願っている。