トップの英断が不可能を可能にした
黒部川第四発電所は、戦後の復興とこれからの日本経済の発展に必ず必要になる、難工事だが皆さん、やろうじゃないか、と言ったのは当時の日本電力のトップだった。
黒部川第四ダムは、標高1454m、総貯水量199,285,000立方メートルと当時日本で最大、世界でも第四位に数えられる巨大な建造物である。
これを、人間が人力でつくり上げたとは、全く想像出来ない。この難工事は関電トンネルの完成無しには考えられなかった。170名の殉職者を出し成し遂げられた世紀の大事業の始まりは、トップの英断だった。
大きな事業も、誰かが決断し、その情熱から始まるのである。
未来には確実なことなど何ひとつ無い。その不確実な事を確実にするのは人間の決断とそれを可能にする情熱なのである。