長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

オリジナルを大切にする

 本田技研工業の創業者、本田宗一郎は、決して人まねを良しとしなかった。
 二輪車の世界で名を馳せていたホンダが、四輪車の世界でもその地位を確立したのは、CVCCエンジンの開発だった。
 米国で制定された、マスキー法(大気浄化法)による排気ガスの規制は、当時ビッグ3や世界の自動車メーカーに実現は不可能と、言わしめた。
 しかし、四輪業界に参入したばかりのホンダは、本田宗一郎の号令の下、この難題に取り組んだ。他のメーカが、排気ガスを触媒で後処理する方法で開発を進めていた時、ホンダはエンジンそのものを改良し、薄い混合気に点火する事が出来る副室燃焼室を装備したCVCCエンジンの開発に成功したのである。
 このエンジンは、米国環境庁EPAでテストが行われ、窒素酸化物を従来の1/10に低減させることが確認され、合格第一号となった。この技術は、トヨタをはじめ、ビッグ3にも提供されたのである。
 ホンダは、オリジナルを大切にしてきた企業だ。本田宗一郎の哲学を継承し、決して人まねをしなかった。その道のりは困難を極めたことは、想像に難くないがそれが技術と人を成長させたことは言うまでもないだろう。
 長野三郎は、できないと言ってはならないと言った。私たちには、その理念を受け継ぐ使命があるのだ。
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