長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

ゴアテックスとポリウレタン透湿素材

 私たちが、山に登り始めた頃のカッパは、ナイロン地にゴム引きされたものだった。当然、今でいう通気性も透湿性もなく、雨の日にそれを着て行動すれば中は汗で蒸れてカッパを着なくても変わらないほどだった。
 それが、ゴアテックスという素材が発明され、環境は一変したのである。雨や風は防ぐが、汗の水蒸気は外へ逃がすという画期的なものだったからだ。身体が濡れた状態で稜線で風に吹かれれば夏でも低体温症になることをを考えると、多分、ゴアテックスは多くの登山家の命を救った発明だったに違いない。
 その後、これに類似した素材がたくさん開発され市場に投入されたが、そのほとんどがポリウレタン系の素材だった。ポリウレタン系の素材は、軽量でストレッチ性があるのでとて着やすいが、欠点もある。
 それは、加水分解を起こすことだ。時間が立つと、素材自体が加水分解することで、耐水圧が低下し、カッパとして機能しなくなる。今から、数年前に買った、パタゴニアのH2No素材が、加水分解でボロボロになってしまい、使えなくなってしまったのだ。
 それも、パッと見ただけではわからず、着用していて、内部がベショヌレになって初めて気がついた。これが、秋の稜線だったらと思うとゾッとする。
 その点、フッ素系の皮膜は、手入れさえしっかりしておけばその性質上半永久的だ。そう思うと、山で使うカッパは、耐水性、透湿性とそして何よりも耐久性が大切だと思ったのである。
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