北と南

　北と南と言えば、様々なイメージが湧くと思うが、今回は日本アルプスの話だ。私たちが住む石川県金沢市は、車で二時間も走れば北アルプスの登山口まで行くことができる。
　従って、ホームグラウンドといえば、もっぱら北アルプスになる。特に郷土の山、白山や立山連峰、剱岳は、毎年ルートを変えて何度も登る。
　しかし、秋も深まると北アルプスは厳しい顔を見せ始める。特に３０００ｍ級の稜線は、日によっては、恐ろしく強い風が吹く。また、気温もマイナスとなると、岩稜帯にはエビのしっぽと呼ばれる霧氷ができる。こうなってくると、山は、一般登山者を寄せ付けてくれない。
　一方で、北アルプスが、扉を閉ざす時期に、南アルプスは、まだ、登山者に優しい顔を見せてくれる。これは、あくまでも天候が良いという事が前提だが。。
　天気が良ければ北アルプスと比べると一ヶ月ほど季節が遅い気がする。したがって１１月まで十分に登る事が出来る。
　しかし、金沢からだと、車で６時間以上かかる移動距離は、疲れた身体には厳しく、躊躇してしまうのも事実なのである。

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