長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

星稜中学卒業式祝辞・・東日本大震災から5年

 冷たい朝が、少しづつ長くなった日に暖められ、春ももうすぐそこまで来ています。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心より、お祝い申し上げます。
 今日、卒業の日を迎え、多分、皆さんの心の中に一番多くある言葉は、ありがとうという言葉でしょう。
 ありがとうは、漢字で『有難し』と書きます。ある事が難しい、稀である、滅多にない事に巡り合う。すなわち、有り得ない事だと言う意味です。
 では、有り得ないの反対語は、何でしょうか。それは、当然や、当たり前という言葉です。私たちは、毎日の出来事を当たり前だと思っています。
 太陽が昇るのが当たり前、朝起きて、家族がいるのが当たり前、お弁当ができているのが当たり前、友達といつも会えるのが当たり前、目が見えるのが当たり前、耳が聞こえるのが当たり前、しゃべれるのが当たり前、生まれてきたのが当たり前、生きているのが当たり前。
 くしくも、今日、3月11日は、東日本大震災から丸5年の月日を数えます。みんなが、今日と同じ日が明日も繰り返されると思います。しかし、五年前の今日を境に、当たり前が、当たり前ではないのだと多くの人が気づきました。
 友人と出会い、語り、笑い、お弁当を食べ、学校へ通える。こんな当たり前の事が、本当は奇跡の連続だと思います。有る事が難し、生きて、出会うという奇跡の連続に私たちは、有難うと言いたいと思います。
 これから皆さんは、多くの人に出会うでしょう。その奇跡のような出会いを大切にしてください。出会いは、人の広がりを生み、人の広がりは、すなわち皆さんにチャンスを生んでくれるのです。
 その大切さに気づくのは、私のように、自分の生きた時間と、残された時間をはかりにかけて、歳をとったと感じた時、やっとわかる様な気がします。 
 小さな今を精一杯生きましょう。それは、未来につながり、小さな正しい意思と判断の積み重ねが、皆さんの未来を素晴らしいものにしてくれると信じています。
 最後になりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業おめでとうございます。翻れば、平坦な事ばかりではなかったと存じます。子供達にとっては、今日が中学生としての最後の一ページですが、これからまだまだ長い物語を作り上げていかねばなりません。
 また、三年間にわたり子供達をご指導頂きました先生方に心より御礼申し上げ、子供達の未来が素晴らしいものとなる様祈念して祝辞とします。
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