長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

宮野研究室40周年同窓会


 もう、35年前のことになる。衝撃的な事実を目にし高専の卒業研究の課題が決まった。
 それは厚さ5mm、幅10mm、長さ100mmほどの黒い棒だった。持って見るとその容量から想像もつかないほど軽かった。例えればお菓子の『萩の月』のような感じだった。
 先生は、『それを折ってみろ、折れたら100万円やる』と言ったのだ。こんなもの折ることなどへでもないと思い、力を込めた。しかし、ビクともしない。さらに力をかけ、最後は全身の力を込めても撓むことすらなかった。
 これは一体全体何なのかと思ったのが CFRP炭素繊維強化プラスチックス)との出会いだった。それは指導教員の博士課程の研究課題だった。その新素材の機械的性質を調べることが卒業研究の課題となった。
 大学に進学し、卒業論文はもちろんCFRPの研究を選択した。あれから35年様々な成果を研究室はあげ、今では世界中で広く知られる存在となったのだ。
 それを引いてきたのが宮野先生だ。すでに80歳を超えるが、その頭脳は未だに明晰だ。あれほどの数の卒業生の顔と名前が一致しており、何が得意だったか、そのエピソードも交え話をされていた。
 この出会いがなければ、私たちが開発した消防車両の難燃性GFRPボディは存在しなかっただろう。35年前の出会いが、今新素材のボディを誕生させた。
 10数年振りの同級生との出会いは瞬間的に時間の針を逆戻りさせる。
 人生は小さな選択の連続だ。その結果は、人生の終焉で結実する。
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