長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

子供達を槍の穂先へ・・その3


 夜には、かなり激しい雨が降ったようだが、明け方には上がり、青空が雲の間から顔を出している。
お昼から雨になるとの予報なのと、思った以上に登山客がいる為、渋滞を避けること、そして、ロープを使うことで渋滞を起こさない事を考慮し、朝一番に槍の穂先をアタックすることにした。
 子供達にはヘルメットとハーネスを着用させ、ロープで確保する。初めは、槍の穂先の雄大さと、鋭利な刃物のような姿にビビっていたが、覚悟を決めたようだ。
 十分に注意をしながらアプローチを開始する。
 ロープで確保をしてはいるが、やはり恐怖心が先に立つようだ。励ましながら一歩一歩上昇し、最後の15m越えの垂直のハシゴへ。
 鎖にセルフビレーを取り、先ずは私が上昇。山頂に到達した時点で、セルフを解除するように伝え、梯子を登ってきた。
 この時は、ガスが濃く周りが見えなかったことが幸いしたようだ。多分、晴れて360度の眺望があったら高度感におののいたに違いない。
 残念ながら山頂からの眺望は濃いガスに阻まれてしまったが、苦労しながら自分の足で日本で5番目に高い槍の穂先に立てたことは、これからの人生にも大きな自信になるに違いない。
 私たちにとっても、自分たちの登山だけではなく、子供達をフォローしながら事故もなく槍ヶ岳の山頂に立てたことは、良い経験になった。
 ガスの中にそびえ立つ槍の穂先の影を振り返り、今回の槍ヶ岳登山の達成感の中に名残惜しさを感じたのは私だけではないだろう。
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