行動は慎重に、撤退は迅速に、判断は的確に

　行動は慎重に、撤退は迅速に、判断は的確に・・・
　教えを請うている山岳ガイドの語った言葉である。山の難易度は山そのもので決定されるのでは無く、その環境により大きく変化する。
　山行は、その山に無事に登れたから上手くいったのではないと思う。ほとんどの場合、成功の根拠があるのでは無く、たまたま行けた、すなわちラッキーだっただけだ。
　しかし、ラッキーが続くと勘違いをしてしまうのも人間だ。いつの間にか何の根拠もなくベテランになった様に勘違いしてしまう。
　慎重な行動は何が危険かを知って初めて可能になる。危険を危険と認知できなければ慎重な行動すらできない。そして、危険と感じたら迷うことなく迅速に撤退する。
　その判断は的確でなければならない。慎重でない仲間はもうこの世にいない。彼の言葉には実践を越えてきた重みがある。

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