長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

国王の国


 タイの国内を歩いていると、いたるところに国王の写真が飾ってある事に気づく。
 国王はタイの国民にとって特別な存在だ。その地位は『尊敬し崇拝すべき地位』として憲法に定められている。また、人民の最高点に立つ人物とされており、軍隊の中でも最高の階級が与えられている。
 さらに宗教界の頂点に立っており仏教の保護者とされている。国王にたいしては、何人も問い詰めたり告訴する事は出来ない。国王に対して侮辱、軽蔑、あるいは害をなそうとすれば罰則が与えられており、国王は特権的な位置づけがなされているのだ。
 しかし、この様な法の下に保障された地位ではなく、国王その人が国民から厚い信頼と尊敬の念を持たれている事は事実だ。
 1992年にタイで軍事クーデターが起きた。軍を背景に首相となったスチンダーが、それに反発しバンコク市内で行われたデモを軍が武力で鎮圧し300人以上の死者が出た。
 その時、プミポン国王が軍部の指導者スチンダー首相と、民主化運動グループの指導者チャムロンを王座の前に正座させ、一喝し一夜のうちにクーデターを鎮静化させたことは有名な出来事だ。
 昨今、日本では目上、目下という言葉に異議を唱える政治家がいる程、人を敬い、年長者を尊ぶという日本古来の文化がだんだんと破壊されてしまうように思えてならない。
 タイ国で日本で失われつつある、何か懐かしいものを見出せると感じるのは私だけではないだろう。
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