長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

何やら寂しげな・・


 私が登山を始めたのは、中学一年生の時、山岳スキー部に入部したことがきっかけだった。初めての白山登山に前日はワクワクして眠れなかったことを覚えている。
 キスリング(ザック)、キャラバンシューズ、ゴム引きの雨合羽、水筒、サングラスを買ってもらい、キスリングに詰めたら恐ろしく重くショルダーベルトが肩に食い込んだ。
 中学生の時は身体が小さかったので、おふくろが後ろから見たらリュックが歩いて行くようだったと言っていた。
 すっかり山に魅せられよく通ったのが武蔵ヶ辻にあった好日という登山用品店だった。そこに勤めていたのが、現在のケルンのオーナーの吉田氏だ。
 彼とは本当によく山に登った。折立から入山して黒部五郎岳を日帰りしたのは今でも良い思い出だ。あの頃は二人とも馬力があった。登山家の重広氏との出会いも彼がいなければあり得なかった。
 彼は良し悪しがはっきりしていた。登山用品も自分が使い込み、良いものしかお客様にすすめなかった。そんな実直な性格が災いしたこともあったが、私は彼とは気があった。
 先日、久しぶりにお店を訪ねてみると用品を全て50%OFFで売っていたのでどうしたのかと尋ねると、店をやめることにしたのだという。
 もう高齢であることや、お店を継いでくれる人がいないことが理由らしい。彼との思い出が詰まったお店が無くなることは何やら寂しさを感じる。ちょっとケルンに行ってくる、ということももう出来なくなる。
 吉田ご夫妻には本当にお世話になった。お店をやめたら毎日山に行けると言って嬉しそうな笑顔のなかに一抹の寂しさを見たのは私だけではないだろう。
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