95%は接合部の問題
36年前、長さ100mm×10mm×5mmの驚くほど軽く、真っ黒な矩形のプラスチックを手にした。
『折ってみろ、折れたらお前の好きなものを買ってやる!』と言われた。手にした瞬間こんな軽いチャチなものなど簡単だと力を加えるがびくともしなかった。
本気になって顔を真っ赤にしながら力を加えるが曲がりもしなかった。CFRP(カーボンファイバー・レインフォースド・プラスチクス)との出会いだった。
その時の驚きは今も強烈な印象として残っている。
2013年から開発を始めたGFRP(ガラスファイバー・レインフォースド・プラスチクス)をストラクチャーとした消防車両は開発に困難を極めた。鉄鋼と鉄板はこれまでの経験で製造する事は容易だが、マテリアルが全く違う複合材料ではそれは何の役にも立たない。
鉄ならば溶接、ビス、ボルトでの締結は容易だが、複合材料の難しさと発生する問題のほとんどが接合部分の問題なのだ。
今日久しぶりに母校を訪ね、恩師である宮野教授にお会いした。久しぶりにいろんな話を聞かせて頂いた。基礎の無い所に高い塔は建たない。
複合材料とは何か。その基本を今一度学びなおし、日本の消防車両を大きく変えるこの技術を練磨し、お客様に提供してくと強く誓ったのである。
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