視点
先日、ある本を読んでいたら非常に感銘を受けたので、ある方に『この本とても面白いから読んでみたら』と薦めてみた。
暫くして、会合で顔を合わせた時『本、読んでみた?』と尋ねると、『面白かった。本当に感銘を受けたよ。』と言っていたので、お互い本の感想を述べていたら、何となく、本を読んで感じた部分が違うことに気が付いた。
人は同じ本を読んでいてもその人が、その時に考えている事や、感じている事によって視点が違うものである。
だから、こちらが期待して、気付きを得て欲しいと思い、本を渡しても全く違うところに興味を示したり、全く感じなかったりする。
また、視点は立場によっても変わってくる。私は20代の頃オートバイが好きで良くツーリングに出かけた。その時は並走する車が非常にうっとうしく思えた。
しかし、車に乗りはじめると、今度はオートバイが、うっとうしく感じるようになる。立場が変わると視点が変わるのである。
会社でも部下が上司のことを『嫌い』と言う人がいる。しかし、そこには、上司としての立場から部下に対して言わなくてはならない姿があることを、理解していないことが多い。
そして、言われている部下も何れは上司になり立場が変わる。その時初めて視点が変わることに気付くだろう。
人を嫌うとあなたもその人から嫌われる。その人の立場を理解し、その人を思いやれば、あなたも思いやられる。
上司の立場を知ることはあなたを大きく成長させるだろう。その視点が持てた時、あなたの足は一歩前に出る。難しいことかもしれないが相手の視点に立ち、思いやりを持って人と接していきたいものである。
- 作者: 野口嘉則
- 出版社/メーカー: 総合法令出版
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