長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

熟練の技


 今日、会社の窓から下を眺めていると、明日(21日)に受託検定(消防車の検査)を受ける車両の社内テストをしているところだった。
 この車両は県内のお客様からご注文を頂いたものだが、いろいろなところに工夫がある。先ず消防車の天井部分は通常フラットに作り、その上にはしご固定装置や機材などを収納する為のアルミのボックスなどを設置することが多い。
 しかし、この車両は天井部分には何も設置されないし、また、屋根の構造がかまぼこ型に大きくR(アール)を描く構造になっている。
 FRP等、強化プラスチックでこの形状をつくることは比較的容易いが、お客様の注文で火点直近車にFRPは採用しないという明確な思想があったので、私たちはこれを鋼板で表現することとなった。
 こうなると設計と製造が一体とならないと実現は不可能となる。いくら図面で表現できても、つくる事ができなければ何もならない。以前に『どうやるの?』と聞くと、設計担当は『たいしたこと無いですよ』と言っていた。
 実際出来上がったものを見るとやはり熟練の技によって、完成したというほうが正しいと思った。この年度末の多忙な時期に良くやったと思う。
 私たちの初代長野三郎はものづくりで『お客様に絶対にできないと言ってはいけない』と言ったという。『難しいかもしれない、時間が掛かるかもしれない、でもお客様の望むものをつくって上げなさい』と・・・
 この言葉は今でも私たちのものづくりの根幹にあると信じている。『人の命を救うために自分の命を懸けるひとのために』高い意識を持って、私たちはこれからも専用設計車両を生み出していきたい。
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