長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

トップの覚悟とアンサンブル金沢

 『度重なる不祥事の責任は、すべて、私ども日本相撲協会にある』と謝罪したのは相撲協会武蔵川新理事長である。武蔵川新理事長は大相撲秋場所での挨拶で半分以上を謝罪に割いたという。
 その日の秋場所には緊張感が漂っていた。まず、武蔵川新理事長は審判員を呼び寄せ、厳正な『立会い』の復活を求めた。相撲の立会いには『完全に腰を落とし、両手を付いて・・』と記されているらしい。
 最近は朝青龍を初め、この『立会い』があいまいになっていた。これを誰も指摘できなかった。最も最上位にある横綱から正しい『立会い』を行なっていなければ、それより下位の力士の立会を指摘できないという考え方がはたらいていたのだろうか。
 それを、『正す』という姿勢には武蔵川新理事長の並々ならぬ決意が見て取れる。最初の挨拶に半分以上を謝罪にあて、このままではいけないというトップの覚悟が伝わってくる。
 どのような組織でも小さな過ちを見過ごせば、そこから針の穴があいたダムが決壊するように崩れていく。すなわち、小さなことを見過ごすということはそれを認めたことになるからだ。そこから徐々にルールは拡大解釈され崩れていく。
 今回の武蔵川新理事長の姿勢は今の相撲協会の体質を必ず変えることが出来るだろう。新理事長に期待すると共にトップの決断の重さを痛感した。代わらないのはトップ自らの責任である。
 午後3時から石川県音楽堂にオーケストラアンサンブル金沢設立20周年記念のコンサートに行く。井上道義監督になって初めてのコンサートである。井上道義監督は非常にパワフルで引き寄せられてしまった。
 どんなに優秀な音楽家が集まっても指揮者が素晴らしくなくてはまとまらない。どのような組織も同じである。優秀な人間が集まっても優秀な指揮官がいないとまとまらないものだ。
 しかし、ベートーベンの第九がこんなに長い音楽だったとは知らなかった。私が知っている楽章は最後の一部だった。
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