長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

目的は何か?

 工業デザインの世界で様々な工夫をし、目的を達成することは、とてもやりがいのあることのひとつだ。目標値を設定する時にひとつの事にとらわれ過ぎると他に必要な性能を見逃してしまう事がある。
 そんな時はひとつの目標値は大変優れた結果が得られるが、本来ならば満足しておかなくてはならない性能がおざなりになり、結局ひとつの目標値を高いレベルで実現しているににも係わらず、お客様から高い評価を得られないこともある。
 確かに高いレベルの技術を情熱と工夫でクリアーしていくことは技術屋としてはやりがいがあり、とても楽しいことだが、大切なことはそれがお客様のニーズに本当にあっているかが大切なのだ。
 先日、家のトイレを新調しタンクレスの節水型を選んだのだが、確かに節水性能は非常に高く、何と『大きいほう』は6リットルと言う少ない水で流すことが出来る。通常は10〜13リットル程の水が必要と言われているので、50%程の節水だ。
 毎日を考えるとバカにならない。しかし、通常10リットル程の水が必要なのに半分で済むということは何か仕掛けが必要なのである。良く説明を聞いてみるとどうもバキュウムで引いているようだ。よって、トイレが流れる時の音ときたら、飛行機のトイレの様な音がする。
 家中に響き渡る。確かに節水と言う目的は達成されているのだろうが、快適性ということがどこかに行ってしまっているように感じた。また、お客様によっては音が大きくとも、節水できれば良いという方もいらっしゃるだろう。
 だから、しっかりと情報を公開する必要があると思う。『このトイレは節水型ですが音が大きいです。このトイレは若干水は使いますが静かです。どちらをお客様はお選びになりますか。』と言うのが正しいだろう。
 そのメーカーのカタログには全て静音と書いてあった。静音とは何をもって静音というのかわからない。親切なのは数値で示すことだと思う。
 いずれにせよ、目的を明確にし、お客様に何を提供するのかを示すことが、お客様の信頼を得ることが出来るひとつの方法ではないだろうか。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ 人気ブログランキングへ