原因は何か?『吸管金具の離脱事故』
『ホースの次は吸管か・・』と一瞬思ったが、良く報告書を見させて頂くと、少々解せないことが幾つかある。
今回は消火活動中に消火栓に接続していた吸管金具のカシメ部分から吸管が離脱し、消火栓から水が噴出した。
私たちは問題が起こると必ず原因はどこにあるのかをすぐに特定できるよう『何故』を五回問うように指導している。
しかし、今回の件は私たちが入手した資料だけを見ると、原因を特定しないうちに犯人探しを行なっているように思えてならない。
大切なことは起こった現象から原因を推測したり、思い込むことではない。事実を明らかにすることが大切なのだ。
対策は原因の究明を正しく行なってはじめて活きてくる。吸管の使用状況はどうだったのか。何故0.3MPaという低圧領域で離脱したのか。
離脱面を科学的に解析し、どの様な力が加わったのか、金具に問題は無かったのか、エキスパンのカシメ圧力は適正だったのか。
様々な角度から分析し、対策しなくては安全確認作業自体が無駄な作業となる可能性がある。当然、安全は全てに優先するから二重三重の安全確認作業も大切なのは理解できるが、ヒステリックになるのではなく正しく考え、正しく行動することが大切なのである。
原因を特定しないうちにひとつの企業に責任を負わせてはならない。そういう意味では監督官庁の判断は非常に重い責任を負っている。
人気ブログランキングへ