長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

今どうなのか・・・

 私たちが学生の頃、小立野という所にとても美味しい餃子専門店があった。お店はさほど大きくはなかったが何時行っても店内は満席状態だった。
 学生時代はお金もなかったことから良くこの店の餃子を食べに通った。ご飯、豚汁、餃子十個、漬物がついて400円程だったと記憶している。
 卒業論文を書いていて、深夜にずれ込んだ時は皆で餃子をつまみながら、議論を交わしたものだ。
 それから、学友はそれぞれ就職で全国に散ったが、彼らが金沢に戻ってくると先ず足を運ぶのがこの餃子専門店だ。最近、皆が帰省してたとき、昔を思い出しながらこの店をたまに利用するが、
彼らは口々に『昔のほうが美味しかったな』という。
 確かに、この店は商売が繁盛して、以前あった場所とは違うところにとても大きな店構えのお店を建てた。そのお店も何時出かけていっても満席なのだが、彼らは昔のほうが良かったという。
 ある意味でノスタルジックなこともあるのかもしれないが、以前と味が変わったと思っていた私も、やはりなと思った一人だ。
 食べ物を扱うお店ではこのようなことはたまにあることだ。美味しいラーメン屋さんがチェーン店を出したけれどうまくいかなかったりする。
 業態を拡大してもその味を守ることが出来れば成功するのだろうが、なかなかそうは行かないものだ。
 私たちが今評価を受けていることは過去の実績によるものだ。過去にお客様にご満足いただける消防車両を真摯に製造してきたことが積みあがってできた評価だ。信用は一朝一夕には得ることは出来ない。
 しかし、大切なことはこれからも今以上にお客様のご満足頂ける消防車両をつくり続ける事なのである。その為には過去どうであったかを議論しても意味がない。これからどうあるべきかを考え、その実現のために最善の努力をする事からのみ、目的を達成できるのだ。
 『あの会社は昔、良い消防車をつくっていたな』ではなく『何時もすばらしい消防車をつくっているな』と言われ続ける企業でありたい。その為のキーワードは『重い鎧は脱ぎ捨て、身軽になること』だと私は常々思っている。
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